記者発表

業界のリーダー、課題と機会を予測


Group photo of panelists
第6回GIA International Gemological Symposium(GIA国際宝石学シンポジウム)の幕を閉じたフューチャースケープ・フォーラムでは、活発な議論が交わされた。左から右: Harvard Business School(ハーバード・ビジネス・スクール)でエグゼクティブ開発部門マネージングディレクターを務めるDavid Ager、Chow Tai Fook(周大福)のマネージングディレクターのKent Wong、Christie’s(クリスティ―ズ)でジュエリー国際部門長を務めるRahul Kadakia、Diamond Cellar Holdings(ダイヤモンドセラーホールディングス)最高経営責任者のAndy Johnson、Blue Nile(ブルー・ナイル)最高経営責任者のJason Goldberger、Signet Jewelers(シグネット・ジュエラー)最高経営責任者のGina Drosos、De Beers Group(デビアスグループ)最高経営責任者のBruce Cleaver。

2018年GIAシンポジウム、フューチャースケープ・フォーラムで幕を閉じる

カリフォルニア州カールスバッド – 2018年10月11日 – 宝石・宝飾業界の未来は明るく、新たな課題が絶好の機会を生み出しています。グローバルな宝石・宝飾品取引に携わる36カ国より約800人の方が参加した3日間の画期的なイベント、第6回GIA国際宝石学シンポジウムで最後に行われたFuturescape Forum(フューチャースケープ・フォーラム)は、活発な議論が交わされた後にこのような結論に至って幕を閉じました。
 
このフォーラムで開会の辞を述べたGIA取締役副社長兼ラボ研究主任責任者のTom Mosesは、この業界が急速に変化を遂げていると語り、New York University(ニューヨーク大学)のScott Galloway教授のビデオを紹介しました。GIAの2011年シンポジウムで講演者を務めたGalloway教授は、すべての部門において引き続き行われている統合、急速に変化する労働市場で才能のある者を惹きつける課題、ラボで製造されたダイヤモンドが引き起こす混乱という業界が直面する3つの課題を紹介しました。
 
De Beers Group(デビアスグループ)の最高経営責任者のBruce Cleaver、Signet Jewelers(シグネット・ジュエラー)の最高経営責任者のGina Drosos、Blue Nile(ブルーナイル)の最高経営責任者のJason Goldberger、Diamond Cellar Holdings(ダイヤモンドセラーホールディングス )の最高経営責任者のAndy Johnson、Christie’s(クリスティーズ)の国際ジュエリー部門長のRahul Kadakia、Chow Tai Fook(周大福)のマネージングディレクターのKent Wongという業界のリーダー6人が、こららの課題について話し合い、世界の宝石・宝飾取引の未来に関する予測を紹介しました。
 
パネリストは、小売業では課題が増加しつつある一方、機会も増加しており、顧客の購入がすべてのチャネルでさらに統合されているということで意見が一致しました。Rahul Kadakiaは、クリスティ―ズのオークションの90%が会場で行われるイベントであるが、オンラインでのオークションは新しい顧客を惹きつけ、新しいコレクターが初めてオークションに参加するきっかけを作ると述べました。Andy Johnsonは、ほとんどの方が小売店で宝石を購入するため、小売業者は顧客と長続きする信頼関係を築くチャンスがあると説明しました。
 
パネリストは、多様性があらゆるビジネスにとって大きなメリットであり、ワンパターンな採用方法は検討する必要があると同意しました。Jason Goldbergerは、企業は閉鎖的なアプローチを回避し、様々な観点を持つことが役に立つと認識する必要があると述べました。Kent Wongは、偉大な価値をもたらすミレニアル世代の労働者の多くが自分のビジネスをスタートするのを希望しており、企業が彼らに協力する必要があると指摘しました。
 
パネリストは、ラボで製造されたダイヤモンドは消費者の関心を集めているものの、顧客が大切な事柄を記念するのに天然ダイヤモンドを選ぶ傾向があるということで意見が一致しました。Gina Drososは、消費者が人生において特別な記念日のために購入するのに天然ダイヤモンドに興味を持っており、ダイヤモンドのユニークな物語を辿ることができることにも興味を持っていると指摘しました。Bruce Cleaverは、採掘されたダイヤモンドがその地域社会の発展に貢献し、アフリカの1000万人に対してポジティブな影響を与えたことを強調しました。
 
パネルディスカッションの進行役を務めた、Harvard Business School(ハーバード・ビジネス・スクール)でエグゼクティブ開発部門マネージングディレクターを務めるDavid Agerは、フォーラムが幕を閉じる前に宝石・宝飾業界の将来の予測を各パネリストに尋ねました。
 
周大福のKent Wong:世界は協力して作業する必要があります。それが今後のビジネスモデルの一部になるでしょう。
 
クリスティ―ズのRahul Kadakia: そのうち[天然]ダイヤモンド製品が少なくなり、もっと稀少になるでしょう... ダイヤモンドとジュエリーのビジネスはさらに強くなる一方です。
 
ダイヤモンドセラーホールディングスのAndy Johnson:富は増加しています。機会がたくさんあります。ここ5年から10年の間で、業界の規模が驚くほど大きくなるでしょう。
 
ブルーナイルのJason Goldberger:オンライン、デジタル、店頭などチャネルについて話すことは絶対ないでしょう。
 
シグネット・ジュエラーのGina Drosos:真の付加価値サービスを提供する、オンラインと店舗を組み合わせた非常に優れたデジタルショッピング体験ができると思います。
 
デビアスグループのBruce Cleaver:共同で作業できたり、革新的なことができる方にとっては、将来成功を収める手段はすべて揃ってます。
 
フューチャースケープ・フォーラムおよび2018年シンポジウムで最後に賛辞を述べた、GIA 社長兼CEOのSusan Jacquesは、私たちの業界の未来は信じられないほど明るく、混乱は宝石やジュエリーだけに起きるわけではなく、これらの課題は絶好の機会となります、と述べました。革新を受け入れ、変化を活かしましょう。変化に適応できる人たちが、この業界で生き残って成功できるのですから、と続けました。
 
GIAシンポジウムは、5~7年毎に開催されています。カリフォルニア州カールスバッドのGIA本部の近くで最近行われたこの会議では、出席者は業界をリードする研究員や科学者から最新の科学的研究について学んだり、本格的なリーダーシップ、破壊的革新、顧客中心主義という主要なビジネスの問題を検討するためにハーバード・ビジネス・スクールと提携したユニークなプログラムに参加する機会が設けられました。シンポジウムの議事録は、GIA の季刊誌『Gems & Gemology(宝石と宝石学)』の2018年秋号に掲載されます。なお、こちらは11月にGIA.eduにて無料でご覧いただけます。
 


GIAについて

1931年設立の独立非営利組織であるGIA(Gemological Institute of America)は、宝石学における世界有数の権威として認められています。1950年代初頭、GIAはカラー、クラリティ、カット、カラット重量で有名な 4C を考案しました。さらに1953年にはインターナショナルダイヤモンドグレーディングシステム™を開発し、これは現在世界中のほぼすべての宝石専門家や宝石商により認識されています。
 
研究、教育、宝石学ラボサービスおよび機器の開発を通じて、当機関は、最高基準の完全性、研究活動、科学知識、プロフェッショナリズムを維持することにより宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。