誕生石

8月の誕生石

8月の誕生石 ペリドット スピネル Shadow

ペリドット、スピネル、サードニックスが8月の3つの誕生石です。ペリドットの誕生石は、苛酷な条件の下で形成されることで知られています。地球のマントルの奥深くから溶岩とともに運び出され、その溶岩が凝固した際に発見されたり、宇宙から旅した隕石の中で見つかることがあります。何世紀にもわたってレッドスピネルと間違われていたルビーの代わりとなる宝石を今日の消費者が探すようになるまで、スピネルの誕生石は高い評価を得ていませんでした。サードニックスは元来の8月の誕生石であり、4000年以上もさかのぼる歴史を持っています。これら3つの8月の誕生石について詳しく学び、8月生まれの方のためにふさわしい贈り物を見つけましょう。

誕生石「ペリドット」

   

誕生石「ペリドット」の意味 & 歴史

ペリドットは、色がイエローイッシュグリーンからグリーニッシュイエローであり、オリビン(カンラン石)という鉱物の宝石変種です。これまでの歴史において、ペリドットは、トパーズやエメラルドなどの他の宝石とよく間違えられていました。実際のところ、「トパーズ」という名称の由来であると伝えられている紅海のトパズィオス島からペリドットが産出されていました。ドイツのCologne Cathedral(ケルン大聖堂)にある三聖王の神殿を飾る200カラットの宝石はエメラルドであると考えられていましたが、実は8月の誕生石であるペリドットなのです。歴史家の中には、クレオパトラの有名なエメラルドのコレクションは、ペリドットであったかもしれないと疑う人もいます。
 
ペリドットという言葉は、宝石を意味するアラビア語のfaridatに由来します。この8月の誕生石は、古代および中世の多くの文化で貴重なものと考えられていました。紀元前2世紀には早くも司祭が宝飾品として着用し、その後は中世ヨーロッパで聖杯や教会にて使用されました。また、ペリドットの誕生石は、着用者から悪霊や夜の恐怖を追い払う魔よけとして何世紀にもわたって使用されています。

ペリドットは、結婚15周年を祝福する宝石です。

ペリドットの理想の色は、黄色または茶色が全くない純粋な「草」緑色である。この大型の結晶(364ct)は、紅海にある歴史的な原産地、Zabargad(ザバルガッド)島で産出された。写真:Robert Weldon/GIA
ペリドットの理想の色は、黄色または茶色が全くない純粋な「草」緑色である。この大型の結晶(364ct)は、紅海にある歴史的な原産地、Zabargad(ザバルガッド)島で産出された。写真:Robert Weldon/GIA

ペリドットの産地

8月の誕生石であるペリドットには素敵な物語があります。ジュエリーで今日見られるペリドットのほとんどは、中国、ミャンマー、パキスタン、タンザニア、ベトナムおよび米国のような原産地で採鉱されますが、隕石によって地球に運ばれたものもあれば、砂浜が緑色にキラキラと輝くハワイのペリドットビーチのようなエキゾチックな場所で見つかるものもあります。
 
エジプトのZabargad(ザバルガット)島 (トパズィオス島の現在の名称)は、この8月の誕生石の最古の原産地として記録されている場所です。ここでの採鉱事業は紀元前340〜279年頃に始まった可能性があると伝えられています。この島からは美しいペリドットが産出されましたが、その過酷な環境のため、死とアリゲータートカゲの島 ("蛇の島") のような不吉な名前が付けられました。Zabargad(ザバルガット)島から産出されたペリドットは、何世紀にもわたって珍重されており、依然として垂涎の的となっています。この8月の誕生石で最高級のものは、世界各地の有名な博物館に展示されています。

ミャンマー(旧ビルマ)は、ペリドットの誕生石のもう一つの重要な原産地です。数多くの宝石を生み出すことで有名なモゴックの近くにある山岳地帯、Kyaukponの北斜面では、ペリドットの結晶の裸石が岩石の割れ目で発見されることがあります。この産地から採鉱された最高品質のペリドットは、深みのある色を呈し、透明性に優れています。

モゴックのパノラマ景色は、シャングリ・ラの神秘的な街を連想させる。写真: Robert E. Kane
モゴックのパノラマ景色は、シャングリ・ラの神秘的な街を連想させる。写真: Robert E. Kane


米国では、アリゾナ州がこの8月の誕生石の主な原産地です。数千年前に大規模の火山噴火が発生し、現在はサン・カルロスアパッチ居留地となっている砂漠一体に溶岩が流れ出し、そこでアパッチ族が何十年も採鉱しています。
 
また、この8月の誕生石はパラサイト(ニッケル鉄とオリビンで生成されている)隕石を介して地球に運ばれます。数千個もの隕石が地球に衝突し、そのうちの多くのものがオリビンを含んでいますが、宝石質のペリドットを含んでいるものはほんのわずかです。
 

透明なぺリドットが、このパラサイト隕石全体で散らばって観察される。写真:Eric Welch/GIA 提供: Magic Mountain Gems (マジックマウンテンジェムズ)
透明なぺリドットが、このパラサイト隕石全体で散らばって観察される。写真:Eric Welch/GIA 提供: Magic Mountain Gems (マジックマウンテンジェムズ)

誕生石「ペリドット」のお手入れ & クリーニング

硬度がモース スケールで6.5~7であるペリドットは多くの宝石よりも柔らかく、雑に扱うことができません。このため、日常的に使用するリングにはお勧めできません。また、この8月の誕生石は特定の酸によってダメージを受け、酸性の発汗に長期間晒されるだけでも損傷を受けることがあります。ペリドットのクリーニングは慎重に行ってください。ペリドットの誕生石は熱衝撃に弱いので、スチームクリーナーや超音波クリーナーは決して使用しないでください。温水で低刺激の石鹸と柔らかいブラシを使うのが最も安全な方法です。ペリドットよりも硬度が高い宝石によって傷付くことがあるため、十分に注意を払って保管してください。
 

このプラチナリングの10.89ctのペリドットは、ダイヤモンドのヘイローに囲まれている。写真撮影:Robert Weldon/GIA、提供:Richard Krementz Gemstones
このプラチナリングの10.89ctのペリドットは、ダイヤモンドのヘイローに囲まれている。写真撮影:Robert Weldon/GIA、提供:Richard Krementz Gemstones
ペリドットの詳細 ペリドットの購入者のための手引き


誕生石「スピネル」

   

誕生石「スピネル」の意味 & 歴史

「スピネル」という名称は、スピネルの結晶の形であるトゲという意味を持つラテン語のspinaに由来します。この2つめの8月の誕生石には、鮮烈な赤、鮮やかなピンク、オレンジ、紫、バイオレット、ブルー、青味がかった緑色など様々な色のものがあります。

何世紀もの間、スピネルは他の宝石と間違われていました。世界で最も有名な「ルビー」のいくつかは、実際にはこの8月の誕生石、スピネルです。例えば、170カラットのブラックプリンスの「ルビー」は、イギリス皇太子エドワード(黒太子としても知られている)がカスティーリャ王ペドロ1世のために戦争で勝利をあげた際の戦利品として1367年に受け取るまでは、ムーア人とスペイン王が何代にもわたって所有していました 。スピネルは、18世紀になってようやく化学的な違いに基づいてルビーから完全に区別されるようになりました。今日では、この由緒あるレッドスピネルは、大英帝国王冠で317.40カラットのCullinan(カリナン)IIダイヤモンドのすぐ上にセットされています。
 

大英帝国王冠には、170カラットのレッドスピネルが、素晴らしいCullinan(カリナン)IIダイヤモンドを含む3000以上のダイヤモンド、サファイア、エメラルド、真珠とともにセットされている。現在、この王冠はTower of London(ロンドン塔)に展示されている。
大英帝国王冠には、170カラットのレッドスピネルが、素晴らしいCullinan(カリナン)IIダイヤモンドを含む3000以上のダイヤモンド、サファイア、エメラルド、真珠とともにセットされている。現在、この王冠はTower of London(ロンドン塔)に展示されている。


レッドスピネルは、他の赤い宝石と同様に出血や炎症性疾患を癒すと考えられていました。赤い宝石は怒りを和らげ、調和をもたらすと信じられていました。この8月の誕生石は、伝統的に結婚22周年に贈られる宝石です。

スピネルの産地

現在、スピネルはいくつかの産地で発見されています。主な原産地には、タジキスタン、ミャンマー、スリランカ、ベトナム、タンザニア、パキスタンなどがあります。原産地の中には見事な色のスピネルを産出することで知られている場所もあり、ミャンマーでは鮮やかなピンクのスピネルやレッドスピネルなどが産出されます。
 

異なる国で産出されたこれらのスピネルでは様々な色相が見られる。左から右:Mogok(モゴック)産10.92カラットの楕円形レッドスピネル、ミャンマー産20.08カラットのクッションカットのバイオレットスピネル、ミャンマー産13.78カラットの楕円形バイオレットスピネル、スリランカのRatnapura(ラトナプラ)産7.92カラットの楕円形ダークブルースピネル。
異なる国で産出されたこれらのスピネルでは様々な色相が見られる。左から右:Mogok(モゴック)産10.92カラットの楕円形レッドスピネル、ミャンマー産20.08カラットのクッションカットのバイオレットスピネル、ミャンマー産13.78カラットの楕円形バイオレットスピネル、スリランカのRatnapura(ラトナプラ)産7.92カラットの楕円形ダークブルースピネル。写真撮影:Robert Weldon/GIA


スリランカは、サファイア、ルビー、ガーネットなどさまざまな宝石種や変種を生み出すの真の宝島となっています。スピネルは、スリランカの南部で採鉱されており、その色は、青、ピンク、紫となっています。中央高地の緑豊かな丘陵とRatnapura(ラトナプラ)地区の川砂利が、何世紀にもわたって豊富なスピネルが産出される場所となっています。

ミャンマーのMogok(モゴック)石地帯は、もう一つの多産な原産地であり、ルビー、サファイアおよび他の宝石鉱物がペリドットそしてもう一つの8月の誕生石、ペリドットと共に発見されます。ここで採鉱される宝石に輝く自然な光沢があまりにも素晴らしいため、地元の人々は「研磨された魂」と呼んでいます。

これらの鮮やかなピンクのスピネル結晶は、ミャンマーのモゴック石地帯のMan Sin(マンシン)で産出された。写真撮影:Vincent Pardieu
これらの鮮やかなピンクのスピネル結晶は、ミャンマーのモゴック石地帯のMan Sin(マンシン)で産出された。写真撮影:Vincent Pardieu


ベトナム北部のLuc Yen(ルックイェン)地域は、1980年代からディープレッド、パープル、ピンク、バイオレット、バイオレットブルーのスピネルを産出しており、2000年代にはビビッドブルーのスピネルが発見されました。鉱山へ辿り着くのは非常に苛酷です。ハノイから車で5〜6時間ドライブし、到着後には徒歩または自転車でさらに数時間かかるのです。
 

ベトナムのLuc Yen(ルックイェン)地域では、ルビーとスピネルの採鉱事業が、木々で覆われてゴツゴツした岩肌のある山が聳え立つ水田の前で行われている。写真撮影:Vincent Pardieu
ベトナムのLuc Yen(ルックイェン)地域では、ルビーとスピネルの採鉱事業が、木々で覆われてゴツゴツした岩肌のある山が聳え立つ水田の前で行われている。写真撮影:Vincent Pardieu


2007年にタンザニアで発見されたピンクがかったレッドおよびオレンジがかったレッドのスピネルは、宝石コレクターの注目を浴びました。また、ここの鉱山では紫色とブルーの色相を呈する8月の誕生石も産出されます。

誕生石「スピネル」のお手入れ & クリーニング

スピネルの硬度は、モース スケールで8となっています。このため、リングや他のジュエリーに使用するには耐久性がある宝石です。超音波洗浄器やスチームクリーナーを使用することは可能ですが、フラクチャーがある場合は問題が生じることがあります。代わりに、温かい石鹸水を使用すれば常に安全にクリーニングできます。
 
スピネルは、光や化学薬品にさらされても安定しています。一部のスピネルでは高温により色褪せするものもあります。

3.55ctのプリンセスカットのスピネルが、生き生きとした色とカットで輝きを放つ。総カラット重量0.50カラットの2つの台形のダイヤモンドと0.76カラットのラウンドブリリアントダイヤモンドが飾られて、この素晴らしい芸術品が完成する。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)
3.55ctのプリンセスカットのスピネルが、生き生きとした色とカットで輝きを放つ。総カラット重量0.50カラットの2つの台形のダイヤモンドと0.76カラットのラウンドブリリアントダイヤモンドが飾られて、この素晴らしい芸術品が完成する。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)
スピネルの詳細 スピネルの購入者のための手引き


誕生石「サードニックス」

   

誕生石「サードニックス」の意味 & 歴史

8月の誕生石としては最も古い歴史を持つサードニックスは、2種類のカルセドニー(隠微晶質のクォーツ)、すなわちサードとオニキスの組み合わせです。茶色がかったレッドからダークオレンジのサードの縞模様が、通常は白または黒のオニキスの層と入れ替わりに現れます。古代では、サードニックスは、熱せられたワックスが付着しないため、ローマの紋章やシグネット(印章付き)リングに使用するのに人気を博した宝石でした。何千年もの間、この8月の誕生石は様々な色が織り成す縞模様が美しいため、カメオやインタリオに使用する彫刻材料として重宝されています。
 

19世紀初頭のイタリア産サードニックスのカメオ。ペンダントとしてゴールドにセットされている。Giuseppe Girometti作。提供:Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)
19世紀初頭のイタリア産サードニックスのカメオ。ペンダントとしてゴールドにセットされている。Giuseppe Girometti作。提供:Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)


サードニックスは、旧約聖書に明記されているように大司祭の胸甲に飾られた石の一つであると考えられており、宗教的な人生における強さを表すと信じられています。ローマの兵士たちは、戦場で保護されるよう火星のイメージを彫刻したサードニックスのリングを嵌めていました。現在、この8月の誕生石は、勇気や幸福を意味し、明確な意思疎通を図ったり、安定した結婚や人間関係をもたらすと伝えられています。

サードニックスの原産地

この8月の誕生石の原産地は数多くあります。インドは、異なった色の層の間に良好なコントラストがあるサードニックスを産出することで有名です。また、ブラジル、ドイツ、チェコスロバキア、マダガスカル、ウルグアイ、米国などでも発見されています。
 

平らで楕円形に研磨されたサードニックスのタブレット。オレンジとホワイトの様々な縞模様を示している。写真:Robert Weldon/GIA 提供: Susan Goldsteinによる贈呈品
平らで楕円形に研磨されたサードニックスのタブレット。オレンジとホワイトの様々な縞模様を示している。写真:Robert Weldon/GIA 提供: Susan Goldsteinによる贈呈品

誕生石「サードニックス」のお手入れ & クリーニング

この8月の誕生石の硬度は、モース スケールで6.5~7です。ペリドット同様、着用する際、特にリングとして身に着ける場合は注意が必要です。通常、サードニックスは、カルセドニーの他の品種のように染色されていることに注意してください。ジュエリーの製造・修理の技術のように、高熱は染色されたサードニックスの色に影響を与える可能性があります。
 

絵画が描かれているサードニックスのブローチ。ゴールドとプラチナにセットされ、上部にダイヤモンドが1粒飾られている。写真:Robert Weldon/GIA
絵画が描かれているサードニックスのブローチ。ゴールドとプラチナにセットされ、上部にダイヤモンドが1粒飾られている。写真:Robert Weldon/GIA


超音波洗浄器やスチームクリーナーは十分に注意を払ってご使用ください。ぬるま湯の石鹸水を使用して柔らかいブラシを使うことが最も安全な方法です。

こちらでは3つの8月の誕生石に関する歴史、そしてこれらの誕生石がどこで産出されるかについてご説明しました。これらの誕生石をあなたのコレクションに加えることをお考えかと思われます。8月の誕生石のお買い物に出かける前に、GIAのぺリドットの購入ガイドスピネルの購入ガイドを是非お読みになり、美しい8月の誕生石をお選びになる際に参考にしてください。




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