ベンチヒント#1:ドリルビットを尖らす方法


ドリルポイントを研ぐ方法
宝飾品製作に使用する、小さく精細なドリルビットは、通常使用しているうちに鈍ってきます。 磨耗した刃先では、作業困難となり、時間を費やし、ジュエリーや宝石の破損、怪我など、高額な事故を引き起こす原因となります。 お使いのツールの切削面をメンテナンスすることで、清潔で一貫性のあるベンチ作業を確保できます。
           
ここでは、細かいドリルビットの刃先の研ぎ方についてご説明します。 ビットチップには様々なスタイルがありますが、これはチゼルチップの例です。 それでは、まず解剖して見てみましょう。
           
ドリルビットには二つの切断面があります。約60度の角度で切断する面が中心軸線の各サイドにひとつずつあります。
           
ドリルビットの分析
ドリルビットの部分
傾斜面はそれぞれ、若干狭い角度で切断され別の面を形成していることにご注目ください。 この面はカッティングエッジだけでなく、そのエッジの後ろにリリーフエリアを形成します。 このリリーフエリアは、穴をあける際に、切断された金属との接触を防ぎ、これによってドラッグや摩擦を減少させます。
           
ドリルビット内のらせん状の溝はフルートと呼ばれています。  これは、二つのカッティングエッジによって作成された穴から切断材料を導くチャネルとして機能します。
           
ドリルビットを尖らすために各々のレリーフエリアを研ぎます。これらの面と同じ角度を維持しながら研ぐ事は、ドリルビットが尖った後に正しく機能するために重要です。 カッティングエッジは、各表面から金属を少量減らす事で尖らせます。
           
カッティングエリアとレリーフ面の角度
切断エリアとリリーフエリアの角度
まず、フレックスシャフトの30番ハンドピース内に炭化ケイ素の研磨ディスクを挿入してしっかり締めます。 すり減ったドリルピットをスクリューマンドレルに固定し、レリーフエリアにヤスリをかけるためビットの位置をきめベンチピンで支えます。
           
慎重に研磨ディスクをおろし、軽くターゲットの表面に触れます。 角度を変更することなく、固定装置内のビットを回転させ、反対側のリリーフエリアに同じ操作を繰り返します これが完了すると、新しく研いだビットを持つことになります。 これには少し練習が必要かもしれませんが、作業時間を節約することができる貴重な技術です。
リリーフエリア面の角度はいつも同じに維持する
リリーフエリア面の角度はいつも同じに維持する。