ベンチヒント#4:ピアスキャッチ(留め金)の調整法


ピアスキャッチ(後ろの留め金)の調整
ピアスを所定の位置にしっかりと留めるピアスキャッチ(留め金)にも様々な種類があります。 クラッチタイプ、フリクションタイプ、バタフライタイプのピアスキャッチ(後ろ側の留め金)は、ピアスのピン部分を摘むバネとして機能し、互いに向き合う巻き型のタブの付いた円盤です。 ピン部分には、クラッチタイプのピアスチャッチが所定の位置に収まってピアスを固定させる機能として、切り欠きの溝がついています。 ピアスを快適にかつ安全に固定できるようこのバネの強さを調整するのは、ベンチジュエラーの日常サービス業務です。
           
巻きバネ部分の張力を緩めると、ピンに対する摩擦は減少しますが、受け止めが弱くなり、ピアスを本当に失くしてしまう恐れがあります。 一方、巻きバネ部分を引き締めピンへの摩擦を増加させると、ピアスキャッチの留り具合を改善することができます。 けれども、こうすると、お客様がピアスを付けたり外したりする際に不快であったり、痛みを伴う事さえあります。
           
ピアスのピンはキャッチに大きな効果もなく弱まっているため、単純にピンの溝を深めることにも限界があります。 巻きバネ部が溝で止まらずに越えていってしまうのにほとんど気がつきません。

次はピアスキャッチのバネを上手に締める方法です。 まず、ピンとの接触点でよりバネの巻きを小さくする必要があります。 これで巻き部分が溝にに深く収まり、より確実なキャッチが作成できます。 この接点を、クラッチバックの外側の厚みにマーカーで印を付けます。 次に、適合するサイズのペンチでつまめる点に巻きバネを開き、それぞれのバネについて、マークした点でもう少し余分に巻きます。 次に、所望の張力に調整し、バネの残りの部分に元々のカーブを復元します。 多くの場合、これによってキャッチの固定性が十分に高まります。

これが十分に締まっていない時は、1.0〜1.mmのボールバーを使ってクラッチバックの巻き部分に極小さな刻みを作ります。 これにより、キャッチがピアスピンの溝部にもっと深く収まりるので、更に確実に留まることができます。 小さな刻みが丁度真ん中に入る様に、ボールバーをクラッチバックの上から両バネの上に同時に当てるようにします。 ピアスピンとの接続部の下からもこの手順を繰り返します。 ディスクの穴を過度に拡げないために、巻きバネの間でバーのシャフトを摘み、バーの裏側を引くようにしなければならないかもしれません。

ピアスの留め具はピンの溝にはまります。
ピアスピンとピアスキャッチの拡大写真はキャッチがピンの溝とどのようにかみ合っているかを示しています。
市販のクラッチバックは、厚さ0.2mm未満のものがありますので、バーがほとんど通らないことに注意してください。 しかし、極小さなくぼみであっても、巻きバネの間の強い張力よりも安全で確かな留め部となることができます。 適切な位置であれば、これらの刻み部分がピアスピン上のクラッチバックの位置を安定させるはずです。