ロサンゼルス郡の自然史博物館への訪問

Merilee Chapin、Duncan Pay、Pedro Padua、James E. Shigley

カリフォルニア州産の宝石
F.C. Hixon Gem Vaultにあるカリフォルニア州産の宝石をまとめた台は、 博物館の宝石・鉱物ギャラリーのハイライトとなっている。 写真:Duncan Pay/GIA、提供:Natural History Museum of Los Angeles(ロサンゼルス自然史博物館)のGem & Mineral Department(宝石&鉱物部門)。

2014年、GIAのチームは宝石や鉱物のコレクションを記録するために、ロサンゼルス郡の自然史博物館(NHMLAC)を訪問しました。 これは、ワシントンD.C.のスミソニアン学術協会に続く、米国で二番目の大きさの宝石と鉱物のコレクションであると考えられています。

このレポートでは、博物館の素晴らしい標準試料コレクションだけでなく、その積極的な研究プログラムも記録しています。 その鉱物ホールを探索し、通常は立ち入り禁止の、傑出した標本のある「グッディルーム」などコレクションエリアの内側を垣間見ることができます。 またこの博物館の専門家の学芸員が、新しい鉱物やダイヤモンドの色の原因についての研究を説明してくれます。

私たちのグループのガイドをして下さった鉱物科学スタッフは、准学芸員Eloise Gaillou、コレクションマネージャーAlyssa Morgan、名誉学芸員のAnthony Kampf です。 全員それぞれの分野で高い学位を持っています。 Eloiseは、地質学の修士号と 材料科学の博士号を持っています。 Alyssaは地質科学の学士号と修士号を持っています。 そしてAnthonyは 鉱物学と結晶学の分野で博士号を取りました。

鉱物科学のスタッフ
NHMLACの鉱物科学スタッフは、准学芸員Eloïse Gaillou、名誉学芸員Anthony Kampf、およびコレクションマネージャAlyssa Morganで構成されている。 写真:Duncan Pay/GIA、提供:Natural History Museum of Los Angeles(ロサンゼルス自然史博物館)のGem & Mineral Department(ジェム&ミネラル部門)。

博物館の起源と歴史

現在自然史博物館が建っている場所は、かつて農業公園として知られていました。 1870年に設立され、博物館のウェブサイトには「競馬、ギャンブル、売春の無法地帯」であったと記述されています。これが1910年に万博公園と改称され博物館の建設が始まった時から、すべてが変わりました。 ロサンゼルスの歴史、科学、美術博物館は1913年11月5日にその扉を開きました。 その最初の鉱物コレクションは、ロサンゼルスの資本家Charles Forman軍司令官寄贈のわずか5箱の標本でした。

コレクションは小規模の寄付の積み重なりにより着実に増えていきました。 その後1920年に、Los Angeles Chamber of Mines and Oil(ロサンゼルス石油鉱業会議所)から大口寄付がありました。 そのコレクションには、アリゾナ州Bisbee(ビスビー)産の銅含有鉱物の上質の標本が多数含まれていました。

1946年に、博物館は鉱物学と地質学を独立の部門として立ち上げました。 1952年には、鉱物ホールが博物館初期のロタンダ(円形広間)内に設置されました。 続く10年間では、ロサンゼルスの宝石商William E. Phillipsから一連の寄贈があり、それによって宝石のコレクションが始まりました。

重要な寄付が多数続き、1959年に、博物館は寄付や購入の両面を通じて、鉱物と宝石のコレクションを構築するためのキャンペーンを開始しました。 購入元の多くはMartin Ehrmannで、彼は博物館品質の鉱物の重要なディーラーでした。 彼はまた、博物館のサポーターに多数の標本を販売し、サポーターは後にそれを寄付しました。

1971年に、博物館は宝石・鉱物ホールを収容するために新しい北ウィングの建設を開始し、1978年にオープンさせました。 ホールは一連の重要な寄付を受け拡充されました。サンアントニオの富豪Frederick C. Hixonは1971年から1977年の間に宝石コレクションを寄贈し、またJean Brandyは1977年から1980年にかけてボリビア鉱物標本を多く含むコレクションを寄贈しました。 1985年には、Ben Chromy鉱物コレクションと共に博物館の活動のために10万ドル以上の寄付が届きました。

1985年、宝石とその起源を展示するDeutschギャラリーとして知られる追加のギャラリースペースが開設されました。 そのための資金援助は航空宇宙業界のパイオニアAlex DeutschおよびWeingart財団から受けました。 ギャラリーの展示は、宝石がどのように形成され、どこで見つかるのかを説明することに重点を置いています。

引退した弁護士John Jago Trelawneyは1988年、美術館に彼の宝石コレクションを寄贈しました。また、2001年の彼の死に際して、研究プロジェクトを支援するために約 45万ドルが遺贈されました。 2005年には、非常に優れたWeber-Perloffコレクションが博物館に寄贈されました。 これは顕微標本と呼ばれる約50,000の小さな標本からなり、その種類においては世界最大規模のコレクションの一つでした。 2010年NHMLACは、宝石品質の結晶を特に多く含む、Hymanと Beverly Savinarの素晴らしいコレクションを受け取りました。 博物館は2011年に、多くの注目すべき鉱物や宝石から成る、Mel とLois Hindinのコレクションを受け取りました。

今日博物館は、学生たちが陳列ケースに鼻を押し付けながらおしゃべりをする、そんな興味や活気に満ちた施設となっています。 しかし、博物館にはその公の顔よりも別の顔が多くあります。 展示されていないエリアは、米国で最も重要ともいえる鉱物と宝石のコレクションを収容しています。

概要

この博物館の宝石と鉱物のコレクションは、世界で知られている鉱物種のおよそ半分を占める約15万の標本で構成されています。 その数の中には、鉱物が約143,000点、岩石(鉱物集合体)が3,000点、宝石が3,000点、そして隕石が50点あります。

標本は、購入、寄贈、および他の機関との交換などにより集められました。 博物館には、カリフォルニアの宝石と鉱物の最大かつ広範なコレクションを含む、世界中からの標本があります。

6,000平方フィート(558平方メートル)の宝石・鉱物ホールには2,000点以上の標本が展示されています。 しかしこの数は、研究や将来の展示のために舞台裏に存在する標本の合計に比べれば小さいものです。 主要な保管エリアの一つは、コレクションルームです。

コレクションルーム

博物館の鉱物標本の大半はコレクションルームに収容されています。 そのほとんどは展示するほどの価値はありませんが、地質学者や他の科学者の研究対象としては非常に貴重なものです。

博物館のコレクションマネージャーとして、Alyssa Morgan氏は、床から天井まで積み上げられた鉱物が詰まったキャビネットの列の間で働いています。 彼女の仕事は、収集品およびデータベースとカタログを管理することです。

コレクションの利用者 - 主に研究機関の地質学者や材料科学者- は特定のエリアからの鉱物や、希少もしくは珍しい鉱物などの研究に関する標本をリクエストすることができます。 サンプルは大きな標本から折り取られ、標本をリクエストした人に郵送されます。

博物館のスタッフは、コレクションの完全化をめざし、希少なあるいは珍しい品の収集に取り組んでいます。 標本が入ってくると、カタログ番号がつけられます。 番号は鉱物に貼り付けられ、後に追跡できるように、保管する箱に記録されます。 鉱物の重量を量り、寸法を測定することもあり、産出地や入手の経緯その他の重要な詳細といった情報はデータベースに入力されます。

コレクションルームにある標本は、いくつかのサブコレクションに編成されます。 一般的な標準試料の鉱物は、化学物質の分類(元素、硫化物、酸化物等)により系統的に配置されます。 カリフォルニアの標本は、産出地によって配列されています。 小さな顕微標本と親指の爪サイズほどの標本は種ごとにアルファベット順に配列されています。

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コレクションの維持 このビデオシリーズでは、Alyssa Morgan氏 とEloïse Gaillou博士が、主要なコレクションを確立し管理するための仕組みを説明します。

顕微標本とサムネイル(親指の爪ほどのサイズの標本)

顕微標本とサムネイル標本は、鉱物収集の世界において重要な一部のグループに人気があり、科学研究にとって優れた対象になることがよくあります。 大口寄付、特に並外れた規模のWeber-Perloffコレクションを通して、博物館は10万以上の顕微標本- そのようなコレクションでは世界最大- を収集しました。 それには主にカリフォルニア州からの金の標本が多数、そして2,000点以上ものダイヤモンド結晶が含まれています。

およそ一万点の標本からなるサムネイルコレクションもまた非常に大きなもので、主に一人の寄贈者Jessie Hardman氏によって2000年に寄贈されたものです。 Hardman 夫人はすべてのものを一つは手に入れようと決めていたので、このコレクションには、めったに出ないような地域から産出されたいろいろな希少な鉱物が多く含まれています。

小さなプラスチックの箱は環境、湿度、および他の要因から標本をある程度保護することができます。 標本は小さめですが、その多様性のため貴重なものとなっています。 これらは収納スペースも小さくてすみ、均一な大きさであるため、簡単に整理ができます。

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サイズで分類 コレクションの鉱物は、一部サイズによって分類される。

顕微標本とサムネイルサイズの標本は、世界中の産出地から収集され、産出地によってアルファベット順に配列されています。 スタッフは、顕微標本とサムネイルコレクションの全カタログ化に取り組んでいます。

「グッディルーム」

博物館の「グッディルーム」は上質で完全な状態の標本の演出エリアです。 この部屋にある約4,500の鉱物標本と宝石の中には、展示する価値がそれほどないものや、すでに展示されている品と重複しているものが多少あります。 中には、ファセッティングに十分な良い色と透明度を持っているものがあります。 ほとんどの場合、研究者はこのような標本をサンプリングに利用することはできません。

グッディルームのコレクションの大半は、寄贈者からのものです。 一つの例として、素晴らしいSavinarコレクションがあり、ファセットカットされた多くの宝石や世界各地で産出された上質の結晶が詰まっています。

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グッディルーム 博物館のグッディルームにある標本は全て上質のもので、 そのほとんどは寄贈者からのものである。

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傑出した標本 Anthony Kampf博士とEloise Gaillou博士は自分たちの好きな標本の一部を紹介し、それがどうして特別なものであるのか、その特徴を説明する。 その後Anthonyは、博物館の取得プロセスを説明し、それが時には予期せぬ素晴らしい驚きをもたらしてくれることを語る。

研究者とその研究

どこの主要な自然史博物館でも、その中心は舞台裏で行われる研究です。 現在のNHMLACのプロジェクトには、Anthony Kampf博士の新しい鉱物の研究とEloise Gaillou博士のカラーダイヤモンドの研究が含まれています。

名誉学芸員であるAnthony(Tony ) Kampf博士 は、1977年1月に博物館で働き始め、世界的に有名な宝石・鉱物ホールの設立に貢献しました。 Tonyは取得勧誘やギャラリーの配置に重要な役割を果たしました。 彼は、博物館の鉱物・宝石コレクションが約2万点から15万点以上の標本へと成長していく間、その管理をしていました。

新鉱物の分析
Kampf博士の掲示板は、研究中の鉱物の結晶構造図で埋め尽くされている。 写真:Duncan Pay/GIA、提供:Natural History Museum of Los Angeles(ロサンゼルス自然史博物館)のGem & Mineral Department(ジェム&ミネラル部門)。

引退後の現在もなお、新しい鉱物の発見と特性の検査を焦点とした研究に従事するために彼は毎日ここに通っています。 彼は、鉱物を同定しその内部構造を研究するために、先端器材を使用しています。

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研究プロジェクト これらのビデオでは、 Dr. KampfとDr. Gaillouが博物館に代わって彼らの研究プロジェクトについて説明します。

准学芸員Eloise Gaillou博士は、Smithsonian Institute(スミソニアン学術協会)とCarnegie Institution(カーネギー研究所)でポスドク研究フェローシップを保持し、その後2012年に博物館で働き始めました。 NHMLACでのEloiseの研究は、主にピンクとパープルの範囲のカラーダイヤモンドに焦点を当てています。 彼女の目標は、定義の困難なピンク色の原因を特定することです。 彼女の研究関心のもう一つは、ダイヤモンドが形成される地質です。

博物館とその鉱物の展示品の詳細については、NHMLAC鉱物科学のウェブサイトhttp://www.nhm.org/site/research-collections/mineral-sciencesをご覧ください。

Merilee Chapinは管理編集者、Duncan PayはGems & Gemology (宝石と宝石学) の編集責任者、そしてPedro Paduaはカリフォルニア州カールスバッドにあるGIAコンテンツ開発のビデオプロデューサーです。 Jim Shigley博士は、カールスバッドにあるGIA研究所の著名研究員です。

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