
この本は、コーヒーテーブルブック、参考文献、および美術館のコレクションのガイドを合わせたような素晴らしい一冊です。 Gems and Crystals: From the American Museum of Natural History(宝石とクリスタル;アメリカ自然史博物館より、1990年)の著者による25周年記念の改訂版です。 著者が現在も同じ分野で活躍しているため、過去とのつながりを感じさせ、コレクションや知識がさらに充実しています。
前書きでは、長年にわたる注目すべき収集、スポンサー、そして学芸員について詳しく述べています。 これは1889年にGeorge Frederick Kunzが収集し、John Pierpont Morganが出資したコレクションから始まりました。 この部門は1970年代に拡大し、鉱物学部門と名前を変更し、1995年には鉱物、宝石、隕石を含む地球惑星科学部門となりました。 合計で11万点の鉱物、4500点の宝石のうち、1800点がMorgan Hall of Gems(Morgan宝石ホール)に、そして2600点がGuggenheim Hall of Minerals(Guggenheim鉱物ホール)に展示されています。 宝石は視覚的にも魅力的なので、宝石は高い割合で展示されています。 保管コレクションは、科学的なデータ収集のためにも貴重な資料となります。
第一部「The World of Gems(宝石の世界)」では宝石の歴史を簡単に紹介し、個人の装飾用品としての使用が紀元前25,000年前にさかのぼることに注目しています。 考古学による発見や歴史的な文献より、宝石はその美しさのためや魔よけなどの用途だけでなく、その科学的な性質にも当初から人々が関心を寄せていたことが確認されています。 ここでは有名な宝石を例に挙げ、基本的な結晶学の概念や、多色性や蛍光など物理的特性を説明しています。 文章はわかりやすく、過度に技術的でもありません。 石の形成や品質要因も簡単に説明されています。 合成石、類似石、および改良についての章も簡潔で、あまり多くのトピックを扱ってはいません。
第二部の「Gallery of Gems & Crystals(宝石&クリスタルのギャラリー)」が本の大半を占め、具体的な宝石の詳細を掘り下げて説明しています。 ダイヤモンド、コランダム、ベリルなど、最も商業的に重要で、よく知られている石から始まります。 形式は、特性が書かれた小さな情報ボックスがあり、AMNHコレクションからの歴史や学問、資料、価値、事実、実例などが記載されています。 掲載写真は、色や現象、原石やジュエリーの例、歴史的なイラスト、美術館にある見本などです。
ダイヤモンドの章は新しい採鉱地域に関する1990年版からの改訂、キンバリープロセスの出現、CVDメソッドによる合成ダイヤモンドの生産について取り上げています。 しかし、高圧法がいまだ広く使用され、最適化されていることは記述されていません。 合成ダイヤモンドは消費者が好むトピックなので、現在入手可能な色と大きさが記述されていたら更に役に立ったでしょう。 照射について記述されていますが、照射にHPHT処理を併用した多段階の処理には触れていません。
コランダムの章では、加熱処理の利点を議論する際、著者らは「Star of India(スター・オブ・インディア、博物館で最も有名な宝石で、563.35ctの宝石品質のスターサファイア)を加熱して、素晴らしいブルーカボションを作ったら、、、いやとんでもない!」と冗談を交わしています。経験を積んだ宝石鑑別士らが、パパラチサファイアの色が一貫していないこと、37ページで「オレンジ」と説明したものが5ページ後にはピンクオレンジやオレンジのようなピンクと記述されていることを指摘するでしょう(有名な100ctのスリランカ産の例ではオレンジが非常に強く見えますが)。 また、コランダムの処理法はたくさんありますが、加熱処理のみが記述されています。
パライバトルマリンに関しては短い記述のみで、価値の高い青緑の種類には触れていますが、ユニークな配色や原産地が限られていることなど最近の発見については注目していません。 最も残念なことに、イラスト入りではありません。 おそらく、この高価な宝石が寄付されることがなかったのでしょうか。AMNHコレクションのトルマリンが展示用照明の熱で埃を集めてしまうという焦電高価に関する興味深いコメントがありますが、美術館によく行く観察力の鋭い人ならば気付くことでしょう。
各章は短いですが、読者の関心を引き知性を刺激する興味深い情報が載っています。例えば、処理済ジルコンが1920年代より受け入れられて販売されていたことや、トルコ石は宝石の中でも最も多く模倣され、処理されている石であることへの所見が述べられています。
ジェードの章では、ネフライト、ジェダイト、オンファサイトの違いをうまく説明し、美術館に展示されている巨礫に注目しています。
有機質の宝石の章では、パール、サンゴ、琥珀、ジェットを取り上げています。 真珠の章は、広く消費者の手に入りやすいことを考えると、多少短めです。 唯一、海水パールが養殖として記述され、ビーズや核入れなど、その他の急速に進化している技術を用いた淡水養殖の重大な意義を見落としています。 巻き貝や二枚貝パールなど、アマチュアの関心が高い他の真珠タイプについての説明はありませんでした。
稀少で珍しい装飾素材についての最後の章では、著者らが品質の高い順に宝石を格付けする際、彼らにも偏見があることを認めています。 ゾイサイトに関しては、たったの一節と、原石の結晶のイラストがあるだけでした。 タンザナイトは主流となり、「稀少で珍しい」章に格下げされる必要がなくなってきています。
この本の終わりには用語集と注釈付きの文献リストが載っています。 私自身、ここにリストされた25冊の本、記事、ウェブサイトは、自分の主なコレクションと似通っているので、この推薦に同意します。
原石のイラスト、結晶の見本例、ファセットカットされた見本、歴史的なイラストやジュエリーが良いバランスで構成されています。 この本で一番残念なのは、写真の質です。 Van Peltsは著名な写真家ですが、1990年のフィルム写真の品質は、今日のデジタル写真の品質と比べ物にはなりません。 また、色の再現や印刷技術の違いを加味しても、写真によっては深みや輝きを欠いているものがあります。 単純に、現在期待されているような基準には見合っていないようです。
この本は、美術館のコレクションの紹介や、宝石の地質学の入門書、ジュエリーアートとしての目的は遥かに超えています。 非常に読みやすく、読者を魅力的な宝石学の世界へと引き込みます。 専門的な場でも「歴史的な注釈」や「伝説や伝承」の章にある情報を使ってプレゼンテーションに彩りを足すことにも便利でしょう。 「評価」の章は、初心者コレクターのための基本的なガイドや、出発地点としてもお使いいただけます。 「出来事」にある情報の一部は最新のものではありませんが、カラーストーンの採鉱場所は小さく、数か月で移動しがちなので仕方がありません。 にもかかわらず、この本は参考文献として十分に使え、ニューヨークのアメリカ自然史博物館を訪れることがあれば、博物館のコレクションの素晴らしいガイドとなるでしょう。
Donna Beatonは、GIAのコンテンツ戦略部門のカラーストーンの技術顧問です。

この本は、コーヒーテーブルブック、参考文献、および美術館のコレクションのガイドを合わせたような素晴らしい一冊です。 Gems and Crystals: From the American Museum of Natural History(宝石とクリスタル;アメリカ自然史博物館より、1990年)の著者による25周年記念の改訂版です。 著者が現在も同じ分野で活躍しているため、過去とのつながりを感じさせ、コレクションや知識がさらに充実しています。
前書きでは、長年にわたる注目すべき収集、スポンサー、そして学芸員について詳しく述べています。 これは1889年にGeorge Frederick Kunzが収集し、John Pierpont Morganが出資したコレクションから始まりました。 この部門は1970年代に拡大し、鉱物学部門と名前を変更し、1995年には鉱物、宝石、隕石を含む地球惑星科学部門となりました。 合計で11万点の鉱物、4500点の宝石のうち、1800点がMorgan Hall of Gems(Morgan宝石ホール)に、そして2600点がGuggenheim Hall of Minerals(Guggenheim鉱物ホール)に展示されています。 宝石は視覚的にも魅力的なので、宝石は高い割合で展示されています。 保管コレクションは、科学的なデータ収集のためにも貴重な資料となります。
第一部「The World of Gems(宝石の世界)」では宝石の歴史を簡単に紹介し、個人の装飾用品としての使用が紀元前25,000年前にさかのぼることに注目しています。 考古学による発見や歴史的な文献より、宝石はその美しさのためや魔よけなどの用途だけでなく、その科学的な性質にも当初から人々が関心を寄せていたことが確認されています。 ここでは有名な宝石を例に挙げ、基本的な結晶学の概念や、多色性や蛍光など物理的特性を説明しています。 文章はわかりやすく、過度に技術的でもありません。 石の形成や品質要因も簡単に説明されています。 合成石、類似石、および改良についての章も簡潔で、あまり多くのトピックを扱ってはいません。
第二部の「Gallery of Gems & Crystals(宝石&クリスタルのギャラリー)」が本の大半を占め、具体的な宝石の詳細を掘り下げて説明しています。 ダイヤモンド、コランダム、ベリルなど、最も商業的に重要で、よく知られている石から始まります。 形式は、特性が書かれた小さな情報ボックスがあり、AMNHコレクションからの歴史や学問、資料、価値、事実、実例などが記載されています。 掲載写真は、色や現象、原石やジュエリーの例、歴史的なイラスト、美術館にある見本などです。
ダイヤモンドの章は新しい採鉱地域に関する1990年版からの改訂、キンバリープロセスの出現、CVDメソッドによる合成ダイヤモンドの生産について取り上げています。 しかし、高圧法がいまだ広く使用され、最適化されていることは記述されていません。 合成ダイヤモンドは消費者が好むトピックなので、現在入手可能な色と大きさが記述されていたら更に役に立ったでしょう。 照射について記述されていますが、照射にHPHT処理を併用した多段階の処理には触れていません。
コランダムの章では、加熱処理の利点を議論する際、著者らは「Star of India(スター・オブ・インディア、博物館で最も有名な宝石で、563.35ctの宝石品質のスターサファイア)を加熱して、素晴らしいブルーカボションを作ったら、、、いやとんでもない!」と冗談を交わしています。経験を積んだ宝石鑑別士らが、パパラチサファイアの色が一貫していないこと、37ページで「オレンジ」と説明したものが5ページ後にはピンクオレンジやオレンジのようなピンクと記述されていることを指摘するでしょう(有名な100ctのスリランカ産の例ではオレンジが非常に強く見えますが)。 また、コランダムの処理法はたくさんありますが、加熱処理のみが記述されています。
パライバトルマリンに関しては短い記述のみで、価値の高い青緑の種類には触れていますが、ユニークな配色や原産地が限られていることなど最近の発見については注目していません。 最も残念なことに、イラスト入りではありません。 おそらく、この高価な宝石が寄付されることがなかったのでしょうか。AMNHコレクションのトルマリンが展示用照明の熱で埃を集めてしまうという焦電高価に関する興味深いコメントがありますが、美術館によく行く観察力の鋭い人ならば気付くことでしょう。
各章は短いですが、読者の関心を引き知性を刺激する興味深い情報が載っています。例えば、処理済ジルコンが1920年代より受け入れられて販売されていたことや、トルコ石は宝石の中でも最も多く模倣され、処理されている石であることへの所見が述べられています。
ジェードの章では、ネフライト、ジェダイト、オンファサイトの違いをうまく説明し、美術館に展示されている巨礫に注目しています。
有機質の宝石の章では、パール、サンゴ、琥珀、ジェットを取り上げています。 真珠の章は、広く消費者の手に入りやすいことを考えると、多少短めです。 唯一、海水パールが養殖として記述され、ビーズや核入れなど、その他の急速に進化している技術を用いた淡水養殖の重大な意義を見落としています。 巻き貝や二枚貝パールなど、アマチュアの関心が高い他の真珠タイプについての説明はありませんでした。
稀少で珍しい装飾素材についての最後の章では、著者らが品質の高い順に宝石を格付けする際、彼らにも偏見があることを認めています。 ゾイサイトに関しては、たったの一節と、原石の結晶のイラストがあるだけでした。 タンザナイトは主流となり、「稀少で珍しい」章に格下げされる必要がなくなってきています。
この本の終わりには用語集と注釈付きの文献リストが載っています。 私自身、ここにリストされた25冊の本、記事、ウェブサイトは、自分の主なコレクションと似通っているので、この推薦に同意します。
原石のイラスト、結晶の見本例、ファセットカットされた見本、歴史的なイラストやジュエリーが良いバランスで構成されています。 この本で一番残念なのは、写真の質です。 Van Peltsは著名な写真家ですが、1990年のフィルム写真の品質は、今日のデジタル写真の品質と比べ物にはなりません。 また、色の再現や印刷技術の違いを加味しても、写真によっては深みや輝きを欠いているものがあります。 単純に、現在期待されているような基準には見合っていないようです。
この本は、美術館のコレクションの紹介や、宝石の地質学の入門書、ジュエリーアートとしての目的は遥かに超えています。 非常に読みやすく、読者を魅力的な宝石学の世界へと引き込みます。 専門的な場でも「歴史的な注釈」や「伝説や伝承」の章にある情報を使ってプレゼンテーションに彩りを足すことにも便利でしょう。 「評価」の章は、初心者コレクターのための基本的なガイドや、出発地点としてもお使いいただけます。 「出来事」にある情報の一部は最新のものではありませんが、カラーストーンの採鉱場所は小さく、数か月で移動しがちなので仕方がありません。 にもかかわらず、この本は参考文献として十分に使え、ニューヨークのアメリカ自然史博物館を訪れることがあれば、博物館のコレクションの素晴らしいガイドとなるでしょう。
Donna Beatonは、GIAのコンテンツ戦略部門のカラーストーンの技術顧問です。