業界分析

銀行が原石投機の抑制に動く

Russell Shor, シニア業界アナリスト

ダイヤモンド結晶の原石
ダイヤモンド結晶原石。 写真提供:De Beers(デビアス)。

大手ダイヤモンド銀行は、貸付限度額削減により投機的な原石購入を減衰させる動きに出ました。 銀行はクライアントによる原石購入資金を全額支援していたところを、70%のみ支援することになります。
 

銀行は、原石の価格がそれに匹敵する研磨されたダイヤモンドの価格を超えて急増したためダイヤモンドのカッティングが不採算となり、業界全体に流動性リスクを生み出していると見ています。  同時に、クライアントへの融資をさらに一律10%減らし、クライアント債権の65〜70%までに下げました。
 

2008~2009年の経済危機の間ダイヤモンド業界を支えてきた銀行は、貸付限度額の低下は、原石価格と製造活動をより市場原理に沿ったものとするために必要であると言っています。 ある推計によると、一部のサイズと品質の石に対する需要を製造が著しく上回ったとし、その結果、大量のアンバランスな在庫を抱えることになる場合があるとしています。 
 

貸付限度額の低下はほとんどのダイヤモンド製造者を直撃しましたが、原石価格と研磨された石の価格との格差増大を抑制するための措置は歓迎されています。 International Diamond Manufacturers Association (インターナショナル ダイヤモンド マニュファクチャラーズ アソシエーション)は10月10日に声明を発表し、ダイヤモンド採鉱会社に「現実を直視せよ」と問いかけ、コントロールの効かなくなっている投機原石買いを抑制するよう呼びかけました。 
 

銀行によるこのアクションは、De Beers(デビアス)や他のダイヤモンド製造者をそのただ中に立たせることになりました。というのも、製造者側が非常に慎重に購入を行ってきた一方で、一部の原石ディーラーがより高い値段を払ってきたせいで高価格が維持されてきたからです。 
 

たとえばDe Beers(デビアス)のサイトホルダーは、今年の大部分の割り当てについてその10〜15%を棚上げしてきました。 De Beers(デビアス)幹部は、2015年に始まる次回のサイト期間への申込時にクライアントの「購入履歴」を確認すると述べたことが報告されています。 De Beers(デビアス)や他の生産者は、研磨された価格の停滞状態にもかかわらず、原石の価格を十分に下げてきませんでした。  さらに、報道によれば、De Beers(デビアス)幹部は原石価格の高騰に苦情を言うクライアントに、他のクライアントならば原石にその価格を喜んで払うだろうと話したと言います。 
 

ロシアのAlrosa(アルロサ)社とRio Tinto(リオ ティント)社も、前者は新規株式公開(IPO)の真っ只中であり、後者はそのアーガイル鉱山の非常にコストがかかる設備一新に資金を拠出しており、価格を下げることに消極的でした。 入札販売価格も持ちこたえていますが、一部のアナリストは、投機ディーラーが入札をリードしてきたと信じています。 
 

銀行によるアクションが、原石価格を研磨された石の市場に沿ったものとするために役立つかどうかは、今年末までに明らかになることでしょう。 
 

合成ダイヤモンド: 天然ダイヤモンドのパーセルに未開示合成ダイヤモンドが混入していたとの最近の報告が、業界に波紋を引き起こしています。 スーラットにある天然ダイヤモンド製造者の一部は、CVD合成石を製造し始めているらしいとのことです。報道では、既存の生産者からの合成石がパーセルに現れたことを示しています。 
 

GIAでは、グレーディングのためラボに提出された合成石の数に、有意な増加は見られていません。 報道によると未開示のケースのほとんどは、一般的にグレーディングのために宝石ラボに提出されることのないメレーや小さい石に集中していると思われます。  

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