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真珠を添えたクラム チャウダー


採取された貝殻の片側に置かれたホワイトとパープルの真珠。
このホワイトとパープルの色を持つ真珠は、ニュー イングランド クラム チャウダーの料理中に貝の殻むきをしていたレストランのスタッフによって発見された。これは、ホンビノス貝 (画像は貝殻のサンプル)で形成された真珠である。写真:Sood Oil (Judy) Chia/GIA

ニューヨークのGIAラボラトリーは先日、見事に素晴らしい発見物を検査し、さらに素敵な話も聞くことができました。

米国ニューヨーク州ロングアイランドのモントークにあるGosman’s Fish Market(ゴスマンズ フィッシュ マーケット)の共同オーナー、Bryan Gosmanによると、彼のスタッフの一人が、ニュー イングランド クラム チャウダーを調理する準備をしている間にキッチンで貝の殻むきをしているときに、飴玉ほどの大きさの真珠を発見しました。

「本物のようには見えませんでした。通常、(真珠は)小指の爪の大きさくらいしかありません。でも、これはプラスチックでできたノブのように見えました」とGosmanは語ります。

その後、GosmanはThe Shipwreck Jewelry and Trading Company(シップレック ジュエリー アンド トレーディング カンパニー)の共同経営者であるRebekah Harrisに連絡をとり、この真珠の鑑別を依頼しました。彼女はこの真珠が本物であることを確証し、博物館で展示されている真珠を除きこれまで見た真珠の中で最大のものでもあると伝えました。彼女の支援のおかげで、GosmanはニューヨークのGIAにこの真珠を提出することができました。
 

GIA真珠鑑別レポートの上に置かれたホンビノス貝の真珠。
ホンビノス貝から採取された真珠が、GIA真珠鑑別レポートのためにGIAのニューヨーク ラボラトリーに持ち込まれた。写真:Sood Oil (Judy) Chia/GIA

GIAの科学者たちは、この真珠がMercenaria mercenaria(ホンビノス貝)の「クラム(二枚貝)」で形成されたことを確認しました。重量は27.78カラット、寸法は18.96 x 11.32mmでした。サイズ的には、宝飾店にある多くの養殖真珠は8〜12mmであるため、この天然真珠は非常に大きいということになります。また、色は魅力的なホワイトとパープルで、ほぼ完璧なボタンの形をしています。宝飾品で使用するのに価値のある多くの真珠とは異なり、この真珠には真珠層がありません。つまり、表面の構造が異なり、外観が真珠より磁器のように見えます。

この真珠を生成したようなホンビノス貝は、北アメリカの東岸、特にニューイングランド地方の諸州の海岸沿いで発見されます。また、カリフォルニア州の太平洋沿岸でも発見されることがあります。真珠はホワイトおよび薄いグレーから様々な色合いのパープルまでの色があり、色の純度がより高いものが最も好ましいとされています。貝の殻むきはとりわけ機械で行われるため、作業中にほとんどの真珠が無くなってしまったり、破壊されてしまうため、ホンビノス貝の真珠を発見するのは非常に珍しいことです。希少な真珠は、まさか入っていることなど疑う余地のない常連客の料理の材料となり調理され、その結果、損傷してしまいます。この真珠が無傷のまま早く発見されたことは非常に幸運なことでした。

「この真珠は実際どれくらいの価値があるかですか?それはわかりません。お金のことはどうでもいいのです。ただ嬉しいだけです」とGosmanはこの真珠について語ります。
 
Gosmanは、Montauk Food Pantry(モントーク フード パントリー)への募金を集めるために真珠を抽選会の当選商品にする予定であると伝えました。

サイズを比較するために並べられた天然真珠と硬貨。
ボタン形をしたこの真珠の円周は、10セント硬貨の円周よりもわずかに大きい。写真:Sood Oil (Judy) Chia/GIA

GIAのシニアライターであるPhoebe Shangは、グラジュエイト ジェモロジスト®(Graduate Gemologist®)です。