GIA宝石プロジェクトおよびEdward J. Gübelin博士の宝石コレクションについて

Dr. Edward J. Gübelin(エドワード J. グベリン博士)の宝石コレクションについて

宝石やそのインクルージョンに関する、エドワード・J・グベリン博士による研究は、60年以上にわたって行われ、その業績は宝石の科学に革命をもたらしました。スイスのLucerne(ルツェルン)にある自宅研究室から、サンプル収集のために5大陸の宝石の産地を訪れ、細部にわたる念入りな記録を残しました。博士の包括的なコレクションは、2005年3月に博士が亡くなった後にGIAが取得しました。そのコレクションは、225種の鉱物を代表する、およそ2,800個の宝石により構成されています。現在ではGIA宝石コレクションの一部として、研究、教育、展示用として役立っています。

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Edward J Gübelin
The Collection(ザ・コレクション)

エドワード J. グベリン博士の宝石コレクションの研究

創設当初よりGIAでは、その教育や研究の使命を果たすために宝石の試料を入手してきました。これら試料の大多数は鑑別目的のためには有用でしたが、産地の詳細情報には欠けており、中にはあまり魅力の無いものもありました。

スイスのLucerne(ルツェルン)の、故エドワード・J・グベリン博士所有のコレクションを2005年に買い取った事で、この状況は変わります。このコレクションは、世界の主要産地から集めた225種の鉱物と宝石素材を代表する2,800個以上の試料からなります。これらの宝石の多くは、色、重さ、光学的現象の観点からはまたとない標本であり、GIAの宝石コレクションにおける教育や展示の可能性の拡大に大きく貢献しています。

世界でも屈指の宝石学者のひとりとして、グベリン博士は60年以上にわたってこの重要なコレクションを集積してきました。博士の生涯をかけた宝石内部のインクルージョンの研究は、宝石学の科学に革命をもたらし、彼の功労はあらゆる種類の宝石を顕微鏡を使って鑑別する基礎を作り上げる助けとなりました。グベリン博士に関する詳細は、Gems & Gemology(宝石と宝石学)の2005年冬号に掲載されています。

GIAでは2007年より、エドワード・J・グベリン・コレクションの宝石の特性を明らかにするプロジェクトに着手してきました。このプロジェクトには、次に掲げるの2つの主な目標があります。さまざまな技術を利用してこれらの宝石について体系的に記録すること。そして学生、宝石学者、研究者など宝石素材に興味をもつあらゆる人々のための貴重な情報源としてGIAのウェブサイトでその結果を利用できるようにすること。標準的なデータ収集法を用いて、様々な技法によって各宝石の特徴を示しました。結果として得られたデータは同一個体の宝石から収集されたものであるため、このデータベースは例えば、ある特定の宝石種において産地ごとの間に見られる宝石学的特性値のバラツキの可能性などを、関心のある研究者が閲覧することができます。この情報は、宝石学的情報を寄せ集めて代表的特性値としてきたこれまでの出版物では分からなかったものです。

そこで、本プロジェクトのデータベースでは、個々の宝石について次の情報が入手できるようになります:

1. 宝石の写真。

2. GIA宝石コレクション番号。

3. 宝石種名、および該当する場合にはグループ名と変種名。

4. グベリン博士から取得したコレクションの記録に記載された、国や県、州(地区または郡)、町(鉱山名)などの地理的産地情報。

5. 宝石に関する基本情報。例えば、ファセットカット(標準化した形状の名称として報告);カラット重量(小数点以下2桁まで、1ct= 0.2g);寸法(ミリメートル単位表記で小数点以下3桁まで);透明度(透明、半透明、不透明); カラー表記(カラーストーンに関するGIAの用語定義に準ずる)。

6. 上面、側面、底面から見た宝石の形状とファセット配置を図示。これらの図は、Sarin DiaVisionシステムにより取得したプロポーション測定データを基に作成された。これらはカボションやその他のファセットカット以外の形状に成形加工された宝石には作成されていない。

7. 光学特性(一軸性の正号や負号)、屈折率値(屈折計を用い宝石のテーブル面から得た最大/最小RI値)、算出複屈折値、算出比重値、多色性、光沢、長波および短波紫外線蛍光(および燐光)反応、吸収スペクトル、および光学現象について全て(変色性やアステリズムなど)の記述を含めた、標準的な宝石学的特性の要約。ファセット配置図は、顕微鏡で宝石の上方に置いたガラス球(集光レンズとして作用する)を観察して方向を判定することができた場合の光軸のおおよその位置を示すものとして表されている。この配置で、交差偏光フィルターを使用しガラス球で中心の光軸干渉像が見られるまで宝石を回転させる。この方法を使用しても、宝石の光軸が視覚的に見つからない場合もあった。

8. 標準倍率(10倍〜100倍)で見ることが可能な、内部や外部の特長についての一般的概要説明。内部特徴の多くは顕微鏡で撮影し、その撮影した顕微鏡写真には簡単な説明文が添えられている。内部特徴が顕著に見られない宝石については顕微鏡写真は撮影していない。

9. ほとんどの場合、ひとつの宝石について、赤外線、可視光、ラマン、およびフォトルミネセンスを含む複数のスペクトルが提示されている。主要および微量の元素が検出されたX線蛍光スペクトルも示してある。

初期データ収集は、コランダム、スピネル、ガーネット、ベリル、トルマリンに焦点を当てたもので、約1,000個以上の宝石について得た結果です。現在のプロジェクトは、基本的な特徴を提供することを目的としています。科学的情報の二つの重要な種類 である、宝石中に存在する主要および微量元素の濃度を示す定量的な化学分析、およびX線回折分析によって得た単位格子寸法は、このプロジェクトのデータには含まれていません。大きなファセットカットの宝石については、このような情報を収集するにあたって技術的な課題が多いのですが、将来的にはそれを追加したいと考えています。

最初のグループである50石分(コランダム、スピネル、ベリル、ガーネット、トルマリンや他の宝石鉱物を含む)の情報は、PDF形式で現在利用可能です。将来的には、オンラインデータベースを使って、エドワード・J・グベリン・コレクションにある重要な宝石の閲覧、調査が簡単にできるようになります。さらにGIAでは、GIAコレクションのその他の宝石類、また可能性として、他のコレクションからの歴史的にも重要な宝石を含めた拡張データベースとなるよう予定しています。

プロジェクト貢献者

博物館:

Terri Ottaway、コレクション学芸員

研究室:

Mike Breeding、研究 サイエンティスト

Karen Chadwick、スタッフ ジェモロジスト

Emily Dubinsky、分析スペシャリスト

John Hall、スーパーバイザー、重量と寸法

Dylan Hand、鑑別技術者

John Innis、鑑別技術者

John Koivula、分析顕微鏡技師

David Nelson、計測学者

Nathan Renfro、分析スペシャリスト

Andy Shen、研究科学者

教育:

Andy Lucas、マネージャー、フィールド ジェモロジィ

図書館:

Sharon Bohannon、ビジュアル資料目録管理者

Caroline Nelms、図書館研究アナリスト&コーディネーター

Robert Weldon(写真&ビジュアルコミュニケーション マネージャー)

研究:

Al Gilbertson、カット研究部門プロジェクトマネージャー

Brooke Goedert、上級研究データスペシャリスト

Scott Hemphill、研究員

James Shigley、名誉研究員

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