業界分析

巨大ダイヤモンドの発見が市場に光を指す


1,111ctの ボツワナのケロウィ鉱山でLucara Mining(ルカラ・マイニング)により発見されたダイヤモンドは、歴史上2番目に見つかった1,000カラット以上のダイヤモンド。 同社はこのダイヤモンドを来年オークションに出す予定。 写真提供:Lucara Mining(ルカラ・マイニング)

Lucara Mining(ルカラ・マイニング)がボツワナに所有するケロウィ鉱山で、1,111、813、374カラットの巨大なダイヤモンド3つを同じ週に見つけたというニュースは、冷え込んだダイヤモンド市場に光を差しました。

1つは今まで発見されたダイヤモンドのなかでは2番目、もう1つは6番目に大きなダイヤモンドです。

Lucara(ルカラ)によると、3つのダイヤモンドは全て、来年アントワープで販売される予定だということです。 一部のバイヤーが主要なダイヤモンドやカラー宝石につぎ込んだ莫大な冨により、1,111カラット(ct)の原石を手に入れたバイヤーは、 世界最大のカラーレスダイヤモンドで英国戴冠宝器のセンターピースに使われているCullinan I(カリナン1世)に対抗する530ctや、 タイの戴冠宝器に使われているイエローイッシュ・ブラウン・ダイヤモンドのGolden Jubilee(ゴールデンジュビリー)545ctを超える最大の最終カットサイズに達することができそうです。 当然、最終的にそのような大きな石にカットできるかどうかは、ダイヤモンド内のインクルージョンや亀裂に左右されます。

ダイヤモンド購入にどれほど膨大な富が使われるかは、最近開催された Sotheby’s(サザビーズ)とChristie’s(クリスティーズ)のオークションを見れば明らかです。 世界中で報告されている通り、香港のビジネスマンであるJoseph Lau氏が、12.08 ctのファンシー・ビビッド・ブルーダイヤモンドを史上最高額の4,800万ドルで 購入しています。これは1カラットあたり400万ドルで、宝石におけるカラットあたりの金額としても史上最高額です。 その前日には、Lau氏は16.08ctのファンシー・ビビッド・ピンクダイヤモンドを2850万ドルで 購入しています。

4800万ドル相当のBlue Moon Josephine(ブルー・ムーン・ジョセフィーヌ)と呼ばれる12.08ctの  ファンシー・ビビッド・ブルーダイヤモンドは、オークションにて売却された過去最高額のダイヤモンド。 1カラットあたり400万ドルという価格は、それまでの記録を100万ドル上回っている。 写真提供:Sotheby's(サザビーズ)

Lau氏は、GIAがグレードしたこの2つのダイヤモンドに、自身の娘であるJosephineさんの名前を付けました。 昨年、彼は9.75ctのファンシー・ビビッド・ブルーダイヤモンドを記録破りの3260万ドルで購入し、 もう1人の娘であるZoeさんの名前をつけました。

ダイヤモンド市場のさらに商業性が高い面では、業界が膨大な在庫や信用の喪失や停滞気味の需要などに取り組むのに並んで、主要なダイヤモンド生産業者は原石の販売額を大きく削減しました。

デビアスの12月7~11日のサイトは、11月の7000万ドルの割当の繰り返し―2008年秋の世界金融危機以降最低になるだろうと見られています。 ロシア産ダイヤモンドが市場に大量に流れ込み小さなダイヤモンドの価格を下落させた際、デビアスは自社の採鉱提携会社、特にDebswana(デブスワナ)からの買い控えに20年ぶりに戻ったと言われています。

ロシア産ダイヤモンドを採鉱し販売するAlrosa(アルロサ)と、オーストラリアのアーガイル・ダイヤモンド鉱山を所有しカナダのDiavik(ダイヤヴィク)の株のほとんどを保有するRio Tinto(リオ・ティント)は、顧客の買い控えさせる準備を始めました。  

Alrosa(アルロサ)の財務報告によると、同社の第3四半期のダイヤモンド販売額は予定よりも42%低かったとのことです。 9月の下落が特に激しく、同社は価格を8%削減しただけでなく、50%までの顧客の買い控えにもなりました。 10月は価格の下落を防いだ同社は、本年度の収益を50億ドルと見込んでいますが、アナリストによると実績は36億ドル前後になるだろうとのことです。

同社の第3四半期におけるダイヤモンド生産は合計2300万カラットで、2014年の同期に比べると580万ドル減少しています。 一方、1カラットあたりの収益は3.5%増加しており、これはAlrosa(アルロサ)が大きめの商品の販売に集中し、小さな商品を備蓄していることを示唆しています。

記録破りの ブルーダイヤモンドを購入した人物が2850万ドルで購入した、16ctのファンシー・ビビッド・ピンクダイヤモンド。 写真提供:Christie’s(クリスティーズ)

小売り

アメリカでの本年のジュエリー需要は、徐々にではありますが成長しています。 アメリカ 商務省のデータによると、ファインジュエリーの販売額は9月に4.8%増加し、去年同月以上とのことです。 その増加のほとんどは、電子商取引部門を併設している従来型小売業者を含むオンライン販売者によるものです。

小売アナリストは平均的なシーズンを予測しながらも、ジュエラーがホリデーセール中に大きな値引きを行うと見ています。 価格削減は、大手デパートのMacy’s(メイシーズ)がホリデー期間中の婚約指輪の30%オフを宣伝したことを皮切りに早期に始まりました。

ダイヤモンドのオンライン販売大手の Blue Nile(ブルーナイル)は、5億500万ドルとしていた2015年の売上成長予想を、年間売上が4億8800万ドルから4億9800万ドルと修正しました。 昨年の総売上高は4億7350万ドルでした。 同社は、第3四半期の4%の売上増加に基いて予想を行っています。

世界的には、10月に全ての主要市場における高級時計の需要が、昨年同月に比べ12%も下落しました。 Federation of the Swiss Watch Industry(スイス時計業界連合)の報告によると、香港への売上は39%減少の2億5800万ドル、アメリカへの輸出額は12%減少の2億3200万ドル、中国からの注文は5%減少の1億2000万ドルとのことです。 ヨーロッパ諸国への輸出額は4~5%減少しました。

Russell Shorは、カールスバッドのGIAのシニア業界アナリストです。