G&G 2018年冬号: ピンクからレッドのダイヤモンドおよび宝石質のダイアスポアの色の起源、「琥珀の間」の謎と威厳、ミドリアオリ「ピピ」真珠の宝石学的な特徴


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宝石は、多くの場合、謎に包まれており、それらの起源を判定したり、特徴を識別するのに適した優秀な研究チームが現れるのを待っています。Gems & Gemology(宝石と宝石学)2018年冬号は、息を呑むほど美しいピンクダイヤモンドの色の起源、ロシアの「琥珀の間」に潜む素敵な物語、ミドリアオリの母貝から採取される稀少な天然「ピピ」真珠に対する見解について説明します。また、ズルタナイトとして知られており、変色するダイアスポアの色の起源、およびベトナム北部の鉱床から発見され、コランダムが中心部にありスピネルの縁取りがある珍しい組み合わせを持つ宝石に関する記事が掲載されており、天然、合成、処理されたダイヤモンドの内部の特徴を示す新しい掛図も含まれています。

天然色のピンク、パープル、レッド、ブラウンのダイヤモンド: 多様な色が織り成す世界

最近のオークションにて5000万ドル(約57億円)で落札されたWinston Pink Legacy(ウィンストン・ピンク・レガシー)が話題になったため、ピンクからレッドのファンシーカラーダイヤモンドが注目を浴びるようになりました。この色の範囲の宝石質のダイヤモンドは、非常に稀少かつ貴重であると評価されています。G&Gのカラーダイヤモンドに関する連載シリーズで第三弾となるこの記事では、Sally Eaton-Magañaと共著者が、GIAが2008年から2016年にかけて検査したピンクからレッドの色の範囲(ブラウンとパープルも含む)の9万以上のダイヤモンドの特徴を研究します。

「琥珀の間」の歴史および復元

プロイセン王のために建設された「琥珀の間」は、当初、見事な彫刻が施されて華麗に装飾されたバルト海沿岸産の琥珀のパネルで囲まれていました。この豪華な部屋は、18世紀初頭にロシアに寄贈され、最終的にサンクトペテルブルクの近くにあるエカテリーナ宮殿に設置されました。しかし、第二次世界大戦が勃発した後、ドイツ軍がパネルを略奪し、この宮殿は破壊されてしまいました。パネルが最後に見られたのは1945年であり、それ以来発見されていないのは謎のままとなっています。Russell Shorの記事は、「琥珀の間」の原型の歴史および何十年もかけて細部にわたり復元させた功績について詳述します

宝石「ダイアスポア」の色の起源: コランダムとの相関性

ズルタナイトとしても知られる変色するダイアスポアは、宝石市場においてますます重要な素材となっています。Che ShenとRen Luが、分光測色計とレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置 (LA ICP-MS) を使用して、その素材の色の起源を研究します。宝石のダイアスポアとコランダムは構造的に類似しており、同じ発色団を共有するため、この研究はこの2つの宝石の発色団がいかに効果的であるかも比較します。

ベトナム北部のTan Huong-Truc Lau(タンフン チュック ラウ)地域から産出されたスピネルコロナを有するコランダム

ベトナムのタンフン チュック ラウ地域にある初生砂鉱床と二次砂鉱床で、スピネルの「縁取り」すなわちコロナがあるルビーとサファイアを発見するのは珍しいことではありません。Nguyen Ngoc Khoiが率いる研究チームは、コロナの成因を説明するためにこれらの標本を研究しました。その結果、高度の変成作用のある段階で、コランダムが黒雲母、ガーネットまたはドロマイトと反応するためスピネルのコロナが形成されるという理論に達しました。

ミドリアオリから採取されたと報告されているピピ真珠の宝石学的な特徴

Nanthaporn Nilpetployと共著者は、「ピピ」真珠として知られており、ミドリアオリの母貝から採取される稀少な天然真珠を紹介します。分光分析を行った結果、UV-Visスペクトルにおいて495nm付近で明確に吸収する特徴を示したり、ラマンスペクトルにおいて1380cmおよび1540cm–1でピークに達するなど、これらの小さな真珠で特徴的なパターンがいくつか観察されました。この研究から得られた発見は、他の関連する母貝の種によって生成される素材からピピ真珠を区別するのに役立つ可能性があります。

天然、合成、処理されたダイヤモンドのインクルージョン

宝石の内部の世界を示す掛け図の連載シリーズは引き続きダイヤモンドに焦点を当て、Nathan Renfro、John Koivula、Jonathan Muyal、Shane McClureが撮影した30枚の見事な顕微鏡写真を使用し、最もよく発見されるインクルージョンを紹介します。この折り畳み式の掛図には、ダイヤモンドのインクルージョンに関する短い記事および推奨書のリストが付いています。

ラボノート

世界各地のGIAラボは、印象深く、注目に値するような標本を受け取ります。本冬号は、米国モンタナ州産の稀少なルビーブラジル産のキャッツアイ パライバ トルマリンデビアスのCVD成長法によるLightbox(ライトボックス)ダイヤモンドの分析に関する記事を紹介します。

地球の深部で誕生するダイヤモンド

本誌の最新コラムは、天然ダイヤモンドの地質学に焦点を当てています。この連載シリーズの第1回では、Karen SmithとSteven Shireyが、「スーパーディープ(超深層)」ダイヤモンドの形成および重要性を探索し、マントル内の従来の深さ(150〜200km)の外側であり、少なくとも410~660kmの深さで形成するこの特殊なダイヤモンドについて説明します。

ミクロの世界

G&Gで毎回紹介される宝石のインクルージョンギャラリーでは、デマントイドの母岩にあるバラの形をしたインクルージョンエチオピア産サファイアのジルコンとモナザイトのクラスターロッククリスタル(水晶)クォーツにある形状が良好で大きなルチルインクルージョンをご覧いただけます。

ジェムニュース インターナショナル

世界各地で活躍するGIAの特派員が、最新のニュースや研究結果をジェムニュース インターナショナルのセクションに寄稿しています。本号は、加熱および圧力をかけて処理されたサファイアの初期観察、コーティングが施されたピンクの合成モアッサナイト、ダイヤモンド原石を模倣した合成モアッサナイトを特集しています。

2018年 Edward J. Gübelin 博士最優秀記事賞

Gems & Gemology(宝石と宝石学)は、読者の皆様に最も価値があったと思われる前年の記事を3つ選び、投票していただき2018年最優秀記事賞を決定します。投票された方全員の中から抽選でG&Gの1年分の購読を贈呈していますので、是非ご投票ください。2018年最優秀記事賞の投票締め切り日は2019年3月11日となっております。

Jennifer-Lynn Archuleta は、Gems & Gemology(宝石と宝石学)の編集者です。