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「真珠の女神」、GIA同窓会に絶え間ない支援を提供


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カリフォルニアで教師を務めていたBetty Sue Kingは解雇された後、1978年に真珠の卸売業、King’s Ransom(キングズ・ランサム)を創設し、新しいキャリアをスタートした。ダイヤモンドの卸売を通じて、真珠に惹かれるようになった。「真珠の女神」という別名を持つKingは、毎年寄付を行い、海外遠征に参加したり、気候変動などの真珠に関連するトピックについて講義を行うなど、GIA同窓会ゴールデンゲート支部に積極的に貢献している。写真提供:Betty Sue King

マーチングバンド、スポーツチーム、ラジオ局には、寄付金を集める団体がつきものですが、「真珠の女神」として知られているBetty Sue Kingほど寄付やボランティア活動に熱心な支援者がいる団体はないでしょう。

卸売業King’s Ransom(キングズ・ランサム)の創設者そしてAmerican Gem Trade Association(アメリカ宝石取引協会)の前理事会メンバーであるKingは、長年GIA同窓会に多大な貢献をもたらしています。真珠が採取される地域を見学するために同窓生とともに世界中を旅行したり、全国の支部会議で定期的に講演会を行っています。また、Tucson Gem and Mineral Show(ツーソン宝石鉱物ショー)で行われるGIA同窓会の年次オークションでは真珠のパーセルを数多く寄付しています。

私は、グラジュエイトジェモロジスト(GG)ではありませんが、GIA同窓会ゴールデンゲート支部で長年活躍しています。GIAが提供する教育の価値を支援していますし、GIAが業界に与える指針、情報、サービスを貴重であると思っているからです、とKingは述べます。

ゴールデンゲート支部の長年のメンバーであり、Kingの親友である、Suzanne Martinez(GG)は、Kingのことを「約束したことは絶対守る業界のリーダー」と呼んでいます。

彼女は、継続教育がいかに重要であるか知っています。継続教育とは、実際に参加して、他の人と分かち合うことだと信じています。ゴールデンゲート支部のミーティングにいつも出席するのは勿論のこと、ツーソンで行われる同窓生奨学金を募るオークションへ快く貢献してくださり、この支部を全面的に支持してくださっています、とMartinezは言います。

Kingは、彼女自身のキャリアにおいて、数え切れないほど多くの方が常に「快く専門知識を分かち合い、他の方達に彼女を紹介してくれた」と述べます。GIA同窓会は情報に富んでいて、誰でも喜んで歓迎してくれるので、支援したり、支援を受けたり、宝石・宝飾業界で遠征教育を提供したり、人脈を広げたり、友達を作る機会を与える絶好の場所です、と話します。

飛行機の前で滑走路に立っている3人の女性。
Jewelmer(ジュウェルマー)のCheryl Campos と Reza Tumbadoと共にフィリピンを訪れたKing。「海外に旅をして、真珠の買い付けを行うのは、私のキャリアで一番気に入ってることです。無限の品種の真珠を発見することには決して飽きることがありませんし、業界の方々や顧客、サプライヤーと長年にわたって育んできた友情は、とっても貴重で大切にしています。」写真提供:Betty Sue King

Kingは「真珠の女神」という現実離れしたニックネームで呼ばれていますが、彼女の本当の生い立ちとはかけ離れています。彼女の「優しくて、誠実で、熱心な」両親は、中国本土の第一世代の移民であり、子供たちと米国西海岸に引っ越しする前、ニューヨーク市で小さな食料品店を経営していました。

私たち7人全員が、パッカードの車に乗って、ニューヨークからサンフランシスコへとアメリカを横断しました。最終的にはアリゾナ州のフェニックスに定住することになりました。途中で何回も止まって、景色を眺めたり、色々な食事を楽しみました。旅と冒険が、若い頃から私の世界の一部になっていました、とKingは話します。

このため、宝石やデザインに対する情熱も冒険を繰り返しました。幼い頃に両親から受け継いだ24Kのゴールドとジェードのジュエリーが非常に気に入り、「ダイヤモンド、真珠、ジュエリー特有の美的な価値に対する審美眼」を抱くようになりました。最初はファッションデザインでキャリアを築くことが夢でしたが、教師になることを決心しました。

大学卒業後、Kingは日中にサンフランシスコの中学校で教壇に立ち、夜間(および週末)は、食料、化粧、観光名所のフリーランスコンサルタントとして働いていました。学校の昼食時間でさえも、クライアントに電話をかけるほどの忙しさでした。

「私は、朝から晩まで忙しく動き回っていました。」

彼女の学区で大々的な解雇が行われ、教壇を後にした彼女に朗報が舞い込んできました。ダイヤモンドとエステートジュエリーのビジネスに携わっていた友人が、ジュエリーに対する彼女の情熱に気が付き、ダイヤモンドとカラーストーンを卸売業をしてはどうかと持ちかけました。

「私は心機一転出直すとわかっていました」と、Kingは人生の転機を迎えた当時を振り返ります。子供の頃に身につけた教訓がこの時に役に立ったと説明します。「私の家族は起業家で、家族経営をするためにチームとして全力を尽くしました。誠実に生きるという基礎ができて、私が受け継いだ伝統の中でこのような経験を貴重に思っています。ですから、無意識のうちにこうやって自分のビジネスを立ち上げたのです。」

ルースの真珠を検査および選別する女性。
「私は、ルースの真珠が入った数多くのパーセルやストランドの真珠を検査して、強力な色の飽和、深い紫色やブルーそして金属製のオーバートーンを持つ色相などの特殊な特徴を探します。」Kingは、初めて採取されたエジソンパールの発表会および中国でのオークションに招待された。写真提供:Betty Sue King

1978年、Kingは、ダイヤモンド、ルビーエメラルドサファイアの卸売業に従事する「キングズ・ランサム」をサンフランシスコのベイエリアに創設しました。その後すぐに、クライアントのためにその他のカラーストーンやファンタジーカット、真珠ジュエリーの卸売も手掛けるようになりました。

最終的には養殖真珠のみに注力すること決定し、彼女の名刺に書かれていた肩書を「オーナー」から「真珠の女神」に変更しました。この結果、彼女曰くクライアントが「うっとりと魅了される」ようになりました。

40年以上にわたって、私は女性がビジネスでは欠かせない一部となっている宝飾業界で活躍してきました、とWomen’s Jewelry Association(女性ジュエリー協会)より優秀賞を受賞したKingは語ります。ほとんどの場合、私は歓迎されて、尊敬されてきました...この業界は、あらゆる好みと文化が作用しながら共に繁栄する非常に大きい民族の世界です、と続けます。

真珠の調達や講演会は、キングズ・ランサムが本社を置くカリフォルニア州サウサリートからほど遠い場所で行われることがよくあります。

海外に旅をして、真珠の買い付けを行うのは、私のキャリアで一番気に入ってることです。美しい色相の微妙な違いがある無限の品種の真珠を発見して、手に入れることには決して飽きることがありません、とKingは言います。

男性がアワビから海藻を外している際に樽の上で写真を撮る女性。
1989年にニュージーランドで初めてブルー真珠の海洋養殖場を始めたRoger Beattieがアワビから海藻を外すのをカメラに収めるKing。2007年、Kingは、ニュージーランドのタヒチとオーストラリアの真珠の産地をGIA同窓会とともに訪問した。写真提供:Akira Hyatt/GIA

Kingが最近行ういくつかの仕事は、宝石・ジュエリーの専門家が彼らのビジネス慣行と地球環境の保護を結び付けるのを支援することに焦点を当てています。

GIAカールスバッド本部にあるGIA同窓会サンディエゴ支部で最近開催されたミーティングでは、Kingは『真珠を取り巻く世界:気候変動、影響、コミュニティ』と題した講演会を行いました。

宝石の採鉱と宝飾品製作に関する講演会では、土地の劣化、化学物質の使用と廃棄、水質と野生生物への影響に関する環境問題が取り上げられました。業界のほとんどの講演会では、生産における変化、宝石の鑑別、評価、つまり産物について説明しますが、私の講演会はコンセプトとプロセスに焦点を当てています、と彼女は言います。

かつて教師であり、楽観主義者でもあるKingは、業界の方達を教育し、積極的な行動を促すようなポジティブな影響を与えることを願っています。

地球温暖化と気候変動は普遍的であり、世界的な問題があらゆる形態の生活において重要な部分を占めています。これらの問題の真珠に対する影響を意識することを取り上げることは、非常に価値がある重要なことだと感じます、と彼女は述べます。

寄稿者Jaime KautskyはGIAダイヤモンドグラジュエイト、またGIA Accredited Jewelry Professional(AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ルーペ)誌の共同編集者を務めていました。