業界分析

National Retail Federation(全米小売業協会)明るいホリデーシーズンを予測


ダイヤモンドでできた3つのリボンが蝶結びを作り、中心にあるルビーの周りを多くのダイヤモンドが囲む。
この威厳に満ちたダイヤモンドブローチ/髪飾りは、レースのようにしなやかなダイヤモンドでできたリボンおよびルビーとダイヤモンドクラスター(6.89カラット)が中心に集まっているのを特徴とする。1900年頃にブダペストのBachruchによって作成され、1905年にはオーストリアのフリードリヒ大公が娘のマリー・アンヌ大公妃(エリー・ド・ブルボン=パルム妃)へ彼女の息子の生誕を祝福するために贈呈した。この作品は、11月12日に行われるサザビーズのオークションに出品される。提供:Sotheby's(サザビーズ)

全米小売業協会(NRF) は、構成要素のすべてが米国の2018年のホリデーシーズンに向けて好調に推移していると報告。- 前年比4.3%から4.8%増と予測しています。

NRFは、好調な経済、賃金の上昇、消費者の信頼感の高まりは、貿易緊張の高まりによる価格上昇の懸念を相殺し、消費者を店舗やオンラインマーケットプレイスに呼び寄せると述べました。注意点 - 本調査は10月中旬の株式市場の乱高下前に実施されたものです。

オンライン販売は小売市場のより大きな部分を占め続けていますが、多くの伝統的な小売業者はサイバー市場に適応してシェアを獲得しています。GIAの10月国際宝石学シンポジウムで講演したトップ小売業の幹部によると、複数の「ルート」(オンライン、モバイル、実店舗)により小売売上高のさらなる増加が見込まれています。

ブルーナイルのCEOであるJason Goldbergerは、ショッピング体験全体が一体化することにより、将来的にはショッピング方法つまりその「ルート」について話す人は誰もいなくなるだろう、と指摘しています。Kay Jewelers(ケイ・ジュエラーズ)、Zales(ゼールズ)とJared the Galleria of Jewelry(ジャレッド・ザ・ガレリア・オブ・ジュエリー)の親会社であるシグネット社(Signet)のCEO、Gina Drososは、多くの販売がオンラインで始まり、店舗で完結するため、これはすでに始まっていることであると述べました。

米国経済が今年の残りの期間で引き続き改善を続けると安定大多数が見ていることから、米全国産業審議会の消費者信頼感指数は先月18年ぶりに最高値を更新しました。調査対象の消費者は、楽観論の主な理由として雇用市場が堅調に推移していることも指摘しています。

ダイヤモンド

デビアスの10月のサイクル(サイト)売上高は4億7500万ドル(約536億円)で、前年同時期から大幅に増加しました。デビアスグループでCEOを務めるBruce Cleaverは、インドのルピー/米ドルの為替レート(今年ルピーはドルに対して15%下落)が低価格帯カテゴリーに対する需要に影響を与えたが、市場は米国の需要により依然として堅調である、と述べました。

中国では、米国との継続的な貿易摩擦により、小売業者の間での先行きの不透明感が高まっており、彼らは非常に慎重な姿勢をとっています。(2018年9月度の業界分析をご参照ください)。

ルピーの下落は、大規模で国際的な企業よりも現地市場を扱う小規模なインドのダイヤモンドメーカーに影響を及ぼします。大規模なインド系ダイヤモンド企業はドル建ての口座を持っているため、価格が軟化により、最近数ヶ月間で実際にはコストが少し下がっています。ルピーでの支払いを行う小企業では、通貨の下落による価格の上昇が見られます。

大型ダイアモンドの回復と販売の高まりが、Alrosa(アルロサ)の前年同期比9%増のおおよそ3億3160万ドル(約374億円)に貢献しました。ロシアのダイヤモンド生産者は、小型商品の需要が減少したとも指摘しつつ、2カラット以上の原石および10.8カラットを上回る「特別品」の売上が増加したと報告しました。

このリングに飾られている大きいピンクのセンターストーンは、長角隅切カットのダイヤモンドである。このセンターストーンの両側には無色のダイヤモンドが配置されている。
この18.96カラットのファンシービビッドピンクダイヤモンドは、11月13日にジュネーブで行われるChristie's(クリスティーズ)のMagnificent Jewels(壮大な宝石)オークションで競売にかけられる。提供:クリスティーズ

 

オークション

サザビーズ・ジュネーブで、11月中旬に開かれるオークションにマリー・アントワネット(Marie Antoinette)などが所有していた王室宝飾品が出品される予定です。11月12日に出品されるブルボン・パルマ・ファミリーの王室宝飾品の中には、フランスの女王が所有していた重要な宝飾品だけでなく、ハプスブルク家とブルボン家の他の支配者が所有していたものも含まれています。これらの宝飾品は、今年再びその姿を現すまで200年近くも保管されていました。

クリスティーズは、11月13日にオッペンハイマー家が所有し、GIAがグレーディングを行った18.96カラットのファンシービビッドピンクダイヤモンド、ピンクレガシー(Pink Legacy)を出品することでオークションの注目を集めようとしています。デビアスは、ピンクレガシー(Pink Legacy)が4600万ドル(約52億円)のピンクダイヤモンド価格の世界記録を打ち破ることを期待しています。

Russell Shor は、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。