業界分析:年度初頭の展示会に回復兆候


トレードショーの業界分析
世界経済の不確実要素がある中、主要トレードショーでは世界のダイヤモンドと宝石市場の回復兆候が見られます。
 
1月下旬に開催されたVicenza(ヴィチェンツァ)ショーでは、これまでは主に高価格帯の宝石しか取り扱っていなかったイタリアのデザイナーたちが、魅力的で比較的低価格の宝石をカラット数の低い金や他の金属にはめ込んで作ったカラフルでファッショナブルな作品でその魅力を広げることを試みたため、国際的な購買力の高まりが見られました。 このような動きは、カラット数の高い金に世界各国のバイヤーが新たに殺到しているのと時を同じくしています。
 
米国の高価格帯の独立宝石店に主に焦点を当てたアリゾナ州スコッツデールのCenturion Show(センチュリオンショー)では、特に特徴的なデザイナーの作品や、より高品質のダイヤモンドと宝石について、購買力が上昇しています。 様々なTucson(ツーソン)宝石ショーでも、人の出入りは前年に比べて減少したようであったにも関わらず、購買力は予想を上回りました。 非加熱ルビーおよびサファイア、そしてコロンビア産エメラルドなど、最高品質の宝石の価格は依然として非常に好調でした。 魅力的な低価格帯の宝石でさえ、売上は前年より大幅に増加しました。 出席者の報告によると、ディーラーはアジアの需要の高まりが価格上昇の原因としているそうです。
 
この新たな自信は、米国や日本などの主要市場の経済成長の安定を指摘する経済協力開発機構(OECD)の報告と一致しています。 一方、OECDは、中国とインドでは過去数年の「成長傾向を下回る」ことを予測しています。 中国の宝石やジュエリーの売上高の伸びは、主に昨年はいわゆる「第三層」都市(小売業者が行き届いていない中規模の内陸部の都市)に限定され、局所的になっています。
 
Blue Nileの数字も楽観できる理由の一つです。 同社の婚約指輪の売上高は、2012年の最後の四半期に前年に比べて31%上昇しました。 この四半期の1.361億ドルの売上高は、世界的な経済危機前の2007年以来の高水準でした。 同社は、同期の裁量支出の減少により、ブライダル用ではないダイヤモンドの売上が予想を下回ったことを報告しました。 これに対処するために、最高経営責任者(CEO)Harvey Kanterは、同社が流行ものに替えて、よりなデザインの作品に重きを置くことを指摘しました。
 
Cartier and Van Cleef & Arpels(カルティエ、ヴァンクリーフ&アーペル)の親会社であるRichemont(リシュモン)は、2012年の最後の四半期のアジアでの販売不振の理由として、中国の景気減速を挙げました。 同社は、北米の5%増加に比べると、この地域の最終四半期の売上高が横ばいであったと述べています。 Richemont(リシュモン)はまた、中国の不透明な経済により今年のビジネスの状態を予測することが困難であったことを指摘しました。
 
ダイヤモンド:ダイヤモンド業界は、De Beers(デビアス)の2月の目標(2月25〜28日)を待っています。 世界経済の引き締めは長期的には効果があるかもしれませんが、銀行が貸付限度額を締め付けているために、ダイヤモンドのメーカーはまだ流動性の問題に直面しているので、一般的には、比較的小規模なものであろうと予想されています。 4.5億ドル(450億円)という1月の目標は予想より小さかったものの、安定した価格が歓迎されました。 しかし、De Beers(デビアス)および他のダイヤモンド生産者は、収益の向上に向けた価格引き上げの圧力を受けています。
 
De Beers(デビアス)の親会社であるAnglo American Corp(アングロ·アメリカン社)は、その何回かの買収(主にブラジルのMinas Rio(ミナスリオ)プロジェクト)により困難な状態に陥り、労働組合から積極的な賃上げと福利向上の要求に直面しており、収益を高める手段を模索しています。 De Beers(デビアス)はまた、昨年、その最大の鉱山Jwanengで大金が必要となる生産に関する問題が発生しました。
 
生産額において世界第二位のダイヤモンドの生産者であるAlrosaは、大金が必要な鉱山再開発事業を行っており、De Beers(デビアス)で起こった生産の問題により供給不足を埋める方向に動いているように思われています。 Antwerp(アントワープ)のレポートでは、AlrosaがDe Beers(デビアス)に匹敵する価格で大量に原石を販売し始めているということです。
 
BHP Billiton(BHPビリトン)やRio Tinto(リオティント)など、他の生産者は、ダイヤモンド事業売却の可能性を視野に入れて収益を後押ししようとしています。