Gems & Gemology(宝石と宝石学)・活気の2017年春号、ブラジル産ダイヤモンドとカラーストーンをハイライト
本号では、銅含有リディコータイトとコランダムにおけるシリコンの役割を明らかにします。
カリフォルニア州カールスバッド -2017年5月10日- GIA (Gemological Institute of America) の季刊専門誌、Gems & Gemology(宝石と宝石学、G&G)には、カラフルな宝石がいっぱいです。 2017年春号は、現在印刷物としてもオンラインでも出版されており、特別号でないものとしては、G&Gの83年間の歴史で最大のものとなっています。 総ページ数144に及ぶ今号では、ブラジル産ダイヤモンドや銅含有リディコータイト・トルマリンから、日本のジェダイトや宝石品質のコランダムにおけるシリコンの役割に至るまで、広範囲にわたるトピックが特集されています。 本年の最初の号でもあるため、2016 Dr. Edward J. Gübelin Most Valuable Article Award (2016年Edward J. Gübelin博士最優秀記事賞)、および恒例のG&Gチャレンジクイズも掲載されています。
メインの記事は著者Darcy SviseroとGIAのJames ShigleyとRobert Weldonによるもので、謎めいたブラジルのダイヤモンド鉱床の調査に関するものです。 “ Brazilian Diamonds: A Historical and Recent Perspective"(ブラジル産ダイヤモンド: 歴史的そして最近の視点)との題で、ブラジルのダイヤモンド鉱山の歴史、地質と注目の場所を詳述しています。 将来のダイヤモンドの生産計画に関して、記事では、近年キンバーライトのパイプがいくつか発見されているものの、商業採鉱には問題があり、今のところ生産量は低いままになるとしています。
2番目の記事は“Cuprian Liddicoatite Tourmaline”(含銅リディコータイト・トルマリン)で、GIA研究者の桂田祐介およびZiyin Sunによるものです。鮮やかな青や緑、そして紫の色で知られるこの含銅素材は、しばしば「パライバ」トルマリンと呼ばれますが、これに関する報告です。 このトルマリンは、伝統的にはエルバイト(リチア電気石)として分類されますが、GIAの東京ラボに提出されたサンプルのうち、13が化学分析の結果リディコータイトと識別されました。 その次の記事は、John L. Emmett、Yunbin GuanとGIAのJennifer Stone-SundbergそしてZiyin Sunによるもので、シリコンが宝石品質のコランダムの色に果たす重要な役割に関する説明です。 著者らは、チタンと鉄が組み合わさってサファイアのブルーができあがるには、シリコンの存在が欠かせないことを示しています。
4番目の記事では、珍重される日本のジェダイトの歴史と特性を、他の産出地と比較して解説しています。 次に、Xiayang LinとPeter Heaneyが、インドのジャルガオン地区産のクォーツ結晶におけるイリデッセンスと差分エッチングの発生に関して記述しています。 今春号の第6そして最後の記事は、Ji Zhang、Yujie GaoそしてGuanghai Shiによるもので、ポーランドの工業炉偶然に生成された合成ジンカイトの特性に関するものです。
G&Gのおなじみラボノートのセクションは、濃い「ピンクの袖」がついたルベライト(紅電気石)と、強烈な緑のHPHT合成ダイヤモンドに関してです。 Gem News International(ジェムニュース・インターナショナル)のコーナーでは、世界的なカラーストーンのイベント、ツーソンの宝石ショーに関してです。エチオピアのエメラルドとルビーの新しい原産地についてと、エメラルド採鉱に関するニュースもあります。 The Micro-World(ミクロの世界)コラムでは、アメトリンの光学的ディッシュ、エチオピア産オパールのフラッシュや炎、キャッツアイ模造ペニダエパール、そしてトパーズの謎のインクルージョンの話などです。
G&G、全記事、詳細、写真、貴重なビデオ映像に関する詳細については、GIAのウェブサイトhttp://www.gia.edu/gia-news-researchをご覧下さい。