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書評: Swarovski: Celebrating a History of Collaboration in Fashion, Jewelry, Performance and Design(スワロフスキー:ファッション、ジュエリー、パフォーマンスとデザインの世界におけるコラボの歴史を祝う)


Swarovski(スワロフスキー)表紙
Deborah Landis & Vivienne Becker著、ハードカバー、352頁、イラスト入り、 Rizzoli出版、ニューヨーク、NY、2015、US$95.00(約1万円)

本書は豪華な体裁の一冊となっています。 シルバーのカードストックの見返しから美しい写真と装飾的な折り込みページの見開きに至るまで、上品な仕上がりとなっています。 実に6ポンドもの重量があり、コーヒーテーブルに置かれても素敵です。

本の価値は、見る人によってはまばゆいばかりの第一印象の上を行きます。 スワロフスキークリスタルのジュエリーへの使用についての深い歴史を求めている場合、あるいは単に現代的なスワロフスキーの宝石生産品を見たいだけであれば、この本に求めているものはないかもしれません。 写真はゴージャスで創作品は素晴らしいですが、実質的な本文はあまりありません。

本はファッション、ジュエリー、パフォーマンス、デザインの4つのセクションに分かれています ジュエリーのセクションには、著名なジュエリー歴史家であるVivienne Beckerの素敵なエッセイが掲載されています。 それは、奇妙にも見えるミニページに印刷され、宝石の画像が掲載されている特大ページの前に製本されています。 ストーリーよりも画像に重点を置いているようにも感じます。 掲載されているジュエリー作品は、19世紀の終わりからジュエリーに使用されているスワロフスキークリスタルの代表ギャラリーというよりも、度を超えた創造物です。 スワロフスキークリスタルで装飾が施されたスタイリッシュなリングを 10インチx 12.5インチで示すことは本当に必要だったのでしょうか? コスチュームジュエリーの世界を確立する上でスワロフスキーの役割を語るのに、エッセイ自体は有用な論文となっています。 しかし、多くの写真のキャプションを通しても、有益であると思われる著者の声は継続されません。

結晶に覆われたマイケル・ジャクソンの手袋、主要なファッションハウス用に作製された作品、ニューヨークのメトロポリタンオペラハウス用に委託されたオリジナルのクリスタルシャンデリア照明などを見るのは実に楽しいものです。 しかし、ジュエリーにとりわけ興味のある人に本書から提供される情報はあまりありません。 実際に本書を飾るジュエリーは、ランウェイで着用されるふたつと無い作品やオートクチュール企業を通してエリート聴衆に販売される宝石の大部分で構成されており、私たちのほとんどが目にするものではありません。

Elyse Zorn Karlinは、Association for the Study of Jewelry & Related Arts (ジュエリーおよび関連アーツ研究学会(ASJRA))の共同ディレクターであり、フリーランス キュレーターおよび作家でもあります。